第1位は『大ピンチずかん2』! ギャグ、シュール、感動作…絵本表現の多彩さを示した「第17回 MOE 絵本屋さん大賞 2024」贈賞式【レポート】
更新日:2025/2/3
新人賞第1位 『ぎょうざが いなくなり さがしています』(玉田美知子/講談社)
「ほんじつ ごご2じごろ おおばまち にらやまの ぎょうざが いなくなり さがしています」ある日、こんな町内放送が流れ、としおくんはびっくり! 全国の書店から長く熱い支持を受けた絵本が、昨年の入賞に続き、今年は堂々の第一位。ストーリーのおもしろさや、てくてく歩くぎょうざのかわいさに、ファンが急増中。
「すごく憧れている賞でしたので、とてもうれしく光栄に思います。まだ作家として歩き出したばかりで焦ってしまう気持ちもありますが、これからも丁寧にお届けできるように作品作りに励んでまいります」(玉田美知子)
ファーストブック賞第1位 『きらきら ぴかぴか どうぶつ だいすき』(瀧靖之:監修、あかいしゆみ:絵/朝日新聞出版)
0・1・2歳向けにおすすめしたい絵本を選出する「ファーストブック賞」。第一位に選ばれたのは、書店でもひときわ目立つホログラム絵本。コントラストの強い絵、きらきら光るものは赤ちゃんが反応しやすいため、脳科学者の瀧靖之先生からも「健やかな脳発達の一助になる」というお墨つき。
「難しい工程も多くありましたが、みなさんから知恵をいただき、試行錯誤を重ねて仕上げました。描きたい動物たちをのびのびと画面いっぱいに表現し、温もりを感じる距離感を意識しています。赤ちゃんの初めての体験や喜びの瞬間を共有できることがうれしいです」(あかいしゆみ)
※作者の欠席により、朝日新聞出版の森香織さんが代読

受賞作家の一人がスピーチで話した“ネタ”のような話が、別の作家の口からも語られて笑いが起きるなど、緊張の中にも和やかな雰囲気があった贈賞式。受賞作の作風は一つや二つにまとまらず、ジャンルも視点も多種多様。作家陣による自由度の高いスピーチが、絵本表現の勢いの良さと広がりを物語るようでした。子どもに限らず、大人の心にも気づきや癒しを届ける絵本の存在が、景気後退ぎみの出版業界をも明るく温かく照らしてくれることを願ってやみません。
取材・文=吉田あき 撮影=島本絵梨佳