必死に型を外そうとしているゼリーの姿に大爆笑! おやつが出来上がる“舞台裏”をユーモアたっぷりに描いた絵本【書評】
公開日:2025/2/5

子どもの大好きなもの…それはおやつ! 我が家の兄弟もおやつが大好き。特に次男はお昼ご飯が終わったらもうおやつに何を食べるか考えている日もあるほどです。そんなおやつ大好きっ子におすすめなのが『おやつにだいへんしん!』(marupon/KADOKAWA)。
食べ物たちがおやつになるまでをキャッチーに、かわいらしく描いた1冊です。3歳から楽しめるとあって、ストーリーは至ってシンプル。カップケーキ、プリン、果物……おやつたちを熱で膨らませたり、型から外したりする工程をユーモラスに、かわいいオノマトペとともに綴ります。
なかでも我が家の子どもたちの目を引いたのがおやつになる瞬間。

おやつに変身…!

したかと思いきや、もうひと変身!

このしかけと喜んだり焦ったりとくるくる表情が変わるおやつたちが、子どもたちを引きつけます。

型を自ら脱ごうとするゼリーやプリンの必死な姿に笑いが止まりません!
我が家の兄弟は一番絵に変化があるからでしょうか、とうもろこしきょうだいの変身もお気に入り。そのページになると毎回一緒に「ポポポポポ!」と掛け声をかけてくれます。

タイトルの通り、おやつたちが変身していくシンプルな物語ですが、変身する際に頑張っている姿や変身後のうれしそうだったり得意気な顔、仲間と喜び合う様子…とページをめくるたびに変化があるので、何度も「また読んで」とお願いされました。
テンポよく読むことができるので、小さなお子さんにもピッタリ。次男も一緒に楽しめました。素早くめくったり、変身のところをちょっとためてみたり。読み方で変化もつけやすいので親も子どもの「もう1回読んで!」攻撃に気持ちよく応えられます。
しかも、食育にも役立つ本書。変身に向けて頑張るおやつたちの姿は、子どもたちの「作ってみたい」という意欲を自然と引き出してくれます。我が家でも「どれ食べる?」「これ作ってみたいね」とふたりが楽しそうに話し始めました。
本書に掲載されているのは簡単なおやつばかりなので、実際に作るハードルが低いのも魅力! 果物に至っては皮を剥くだけで子どもの期待に応えられます。本書を読んでからマフィンやゼリーを一緒に作ってみるのもおすすめ。親子クッキングの第一歩にもなりそうです。
おやつができるまでの工程がユーモラスに表現されていて、かつキャラクターもかわいいので食べることが好きではない子もきっと楽しめるはず。そして読んだ後に「これ絵本に出てきたやつだよ!」と話しながら紹介された食べ物を準備すれば、調理やそのおやつ自体に興味を持つきっかけを作れます。
おやつ前に読んで「じゃあこれ食べよっか!」と言えば子どもも大喜び間違いなし。ユーモア満載の1冊をぜひ親子で楽しんでみてください。
文=原智香