「美味しいものを食べるのは罪じゃない」山盛りごはん画像でSNS総フォロワー数5万人以上のクリエイターが、初著書で届けるメッセージ【インタビュー】
公開日:2025/2/5
SNS総フォロワー5万人以上、山盛りの食欲そそる料理画像が人気の、ちゅちゅちゅさん(@chuchuchu_tan)が、2024年12月に初の書籍『幸せな方を選んだら美味しかった』(KADOKAWA)を刊行。自身の生い立ちなどを綴ったエッセイから、漫画、フルカラーのレシピまでを収録した、作る料理と同様にボリュームのある一冊にはどんな思いが込められているのか。ちゅちゅちゅさんにお話をうかがった。
――子どもの頃から食いしん坊だったそうですね。
そうですね。全然記憶ないんですけど、2歳くらいの時に 奈良公園の鹿せんべいの屋台をアイスの屋台と勘違いして一人でもうバーって走って行っちゃって、思いっきりコケて大泣きするみたいな子どもでした。
――お母さんは喫茶店をされてたと書かれていますが。
実はうち、両親とも喫茶店をやっていた時期があって、父と母が出会ったのも、父が営んでいた喫茶店。母がそこにアルバイトで入ったんです。父が母の退勤前にご飯を大量に作って食べさせていたらしく、母は5kgぐらい太ったって言ってました。その後、母は私が小学校低学年ぐらいでまた自分で喫茶店を始めました。
――社交的なご両親だったそうですが、ちゅちゅちゅさんは社会に上手く馴染めなかったそうですね。
よく言えば マイペースというか。こだわりも強いし集団行動が難しかった。特に中学から単純に毎朝起きるのがつらい、規則正しい生活が何より大変でした。相手の気持ちを思いやる、気持ちを想像してコミュニケーションをとるのも難しくて。最近は学習して、こういう時はこう言った方がいいんだろうな、みたいに、学んでできるようになった感じです。学生時代は分からなくて結構困りました。食べ物の好き嫌いもすごく多くて、今でも苦手なものをできれば避けたいから自炊してるのもあるんです。冷めたものを食べるのがすごく苦手で。私、学校の給食とか弁当が本当にダメなんですよ。1回冷めたものを温めて食べるっていうのもあんまり好きじゃない。温かいものが食べたくて、子どもの頃からチャーハンとか焼きうどんとか作って弟と食べてました。
――今の恋人さんの家が一口コンロだったことも、自炊の大きなきっかけになったそうですが、最初に作った一品は覚えていますか?
覚えてます! 生姜焼き! 最初に作るのは絶対に生姜焼きって昔から決めてて。おいしいって言ってたけど、量が多いとも言われました。一人分が難しくて。人ってどれくらい食べるのかわかんないから、とにかくいっぱい作っといたら喜ぶだろうと思っていっぱい作りがちです。
――恋愛は胃袋を掴めと言いますが。
おいしいもの与えたら絶対私のこと好きになるだろうと。今付き合ってる彼が一目惚れなんですけど、絶対落とすぞって思って普通に仲良くなる前から自分が作ったご飯の画像とか送りまくって。私はこんなことができるのよ!食べたいでしょ?って、知り合ってすぐくらいから送ってました。もう好きって思ったら猪突猛進、押せ押せです。恋愛経験豊富で彼氏途切れないとかでは全くないんですが、料理は喜んでもらえますね。みんな。
――自分が食べる料理と、人に食べさせる料理に違いはありますか?
人に食べさせる料理、自分で食べる料理、SNSに投稿する料理、それぞれ全く違います。実は私、自分だけのためだったら料理はしなくて。めんどくさいし。だからSNSにご飯を投稿するんですよ。誰か見てくれる人がいる時は結構頑張って作れるから。人に食べてもらう時は、例えば恋人だったら最初はおいしさ重視ですけど、付き合いが長くなってくると旬の野菜使ってあげようかとか、健康のことを考えたり。でも、食べてくれる側の愛情もありますよね。作る側の愛情が強く思われがちですが、やっぱり食べてくれる側も信用してないと食べたくないし。今って宅配もあるしコンビニもあるし、別に自炊しなくても生きていけますよね。それでもその人のご飯が食べたいって思うのは、やっぱ愛情じゃないでしょうか。食べてくれる人がいるのはありがたいことです。自炊のモチベーションにもつながるし。
――盛り付けもダイナミックで食欲をそそりますよね。
基本山盛り。だって嬉しいじゃないですか! お皿自体はそんなに大きくないんですけどね。大きなお皿にちょっとのせるっていうより、小さめのお皿にドカッとのせた方が美味しそう。あと単純にパスタとかだと具材をたくさん入れる。ソースがいっぱい入ってた方が美味しいですからね。麺は普通ぐらいなんですけど、結局具材めっちゃ入れるから大盛りになります。
――レシピも掲載されていた「丸ごとドカーン鮭パスタ」は切り身がそのままのっていて驚きました。この手があったかと。
鮭ってフレークにするともう目に見えないじゃないですか。でも大きいのがのっかってるとテンション上がる。結局盛り付けも作り方も、食べる時のテンションが上がるかどうか?を結構重要視してます。テンション上がって食べたいし、食べてほしい。
――自炊を続ける究極のコツとは。
作ったものをSNSに投稿することだと思っています。記録にもなるし、記念日のご飯だなとか、これ食べた時喧嘩したなーとか思い出も残る。一緒に見返すこともできます。あとSNSにあげるからちょっとネギ散らしてみようかな、とか。これ3日前にも作ったから違うやつにしようとか。誰かに見られることを意識すると自炊や生活の基準がちょっと上がるしスキルも上がっていくと思います。一眼レフで撮影するとかで映えを追求する必要はなくて、私みたいにラフに出してみてほしい。賛同してくれる人もきっといますよ!
――エッセイも漫画もレシピも、と盛りだくさんの一冊ですが、どんな使い方をしてほしいですか?
今ってルッキズムの時代みたいな感じで、SNS見たら細くて可愛い子がいっぱい。その子たちが可愛いって褒め称えられてると、自分も痩せなきゃいけないのかな?とか思っちゃう人もいるはず。別にダイエットが悪いとも思わないし 痩せてることに意味を見出してる人を咎めるわけでもないんですけど、誰かに言われたから痩せなきゃいけないとか、誰かがこう言ってるからカロリー気にしなきゃとか。どこの誰だか分からない人の発言でご飯が食べられなくなったり、ストレスが爆発しちゃう人にとって私は、「好きな時に食べればいいじゃん。おいしいもの食べて幸せだったらいいんだよ」と言い続けられる人でありたいと思っています。食べることに対してネガティブな感情が湧いた時に読んでもらって、食べることは幸せなことと思ってもらえたら嬉しい。ちゅちゅちゅがこう言ってんだから、まあいっか!って思ってもらえたら一番いいですね。
――自炊する前と今と比べて、今はやっぱり幸せですか?
私の見た目と関係ないところで評価して、好いてくれる人たちがいる今の現状は、もう本当に10年前に私がなりたかった自分。私の中の面白い部分を見つけて接してくれる人が増えたので幸せです。だから、みんな料理だけじゃないけど、そういう自己表現、それぞれ得意なことを見つけて、健全な承認欲求の満たし方が分かれば一気に楽しくラクになります。今はお味噌汁の事業に携わっていて、一汁一菜をコンセプトにしたお味噌汁を開発しようと頑張ってます。「疲れたからカップラーメンでいいや」をお味噌汁に変えてもらえるような、お手軽でボリュームのある健康的なものです。自炊したいのに疲れてできない、みたいな葛藤やストレスを少しでも軽くできればと考えていて、時間、体調、食生活から生活を豊かにするお手伝いができれば幸せだな、と考えて準備しています!
取材・文=米田ゆきほ
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