うまくいかない人間関係や仕事…つい自分を責めてしまうあなたへ。「まいにちパン子」がくれる癒やしの言葉たち

文芸・カルチャー

更新日:2025/3/5

あなたはあなたのままでいいんだよ 気にし過ぎちゃうあなたが、もっと幸せになるために「まいにちパン子」が伝えたいことキョン/自由国民社

 仕事や人間関係、家庭の問題などで頭も心もいっぱいになると、上手くこの社会を歩けない自分を責めてしまうものだ。

あなたはあなたのままでいいんだよ 気にし過ぎちゃうあなたが、もっと幸せになるために「まいにちパン子」が伝えたいこと』(キョン/自由国民社)は、そんな心に寄り添ってくれる癒しの本である。

 著者・キョン氏は、「まいにちパン子」というオリジナルキャラクターを添えた心が軽くなるメッセージをSNSで発信するイラストレーター。本作でも、まいにちパン子は大活躍し、日常の中で抱く様々な悩みごとへの向き合い方を教えてくれる。

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「自分が嫌い」の苦しさを和らげる“魔法の言葉”とは?

 心が苦しい時は本を一冊読む気力さえないことも多いが、本書はページのタイトルを悩みごとにしているので、余裕がない時は自分に必要なアドバイスだけ得られて便利だ。

 まいにちパン子のアドバイスは、一風変わった視点であるからこそ多くの気づきを得られる。例えば、自分のことを好きになれないという悩みには、「無理して自分を好きにならなくていい」とのアンサー。

 好きか嫌いかという白黒思考で決着をつけるのではなく、自分のことが嫌いでもいい、ありのままの気持ちを受け入れることこそが、心を楽にすることに繋がると、まいにちパン子は伝えてくれる。

 まいにちパン子が教える魔法のポジティブワードは「ま、それでもいっか」だ。この軽やかな響きは、口に出すだけで心が上向きにならないだろうか。

 自分のことになると、人はつい短所ばかりが目につきやすいが、そもそも長所と短所は表裏一体。自分が嫌いだと思う部分も誰かにとっては、案外「好きな一面」や「羨ましいポイント」に映っているものだ。

 自分を好きにはなれなくとも、私であることを楽しみ尽くそう。まいにちパン子が教える自分との向き合い方は、そんなワクワクも授けてくれる。

悪口は、あるひとりが感じた「ただの感想」

 全員に好かれることは無理だと分かっていても、誰かに悪口を言われた時はやっぱり心が苦しくなる。まるで自分の全てを否定されたかのような心の痛みはどうすれば和らげることができるのだろうか。

 まいにちパン子が教える解決法は、悪口の捉え方を変えること。悪口は、あるひとりが感じている「ただの感想」が言葉として発せられただけ。受け取らないという選択肢もあり、たとえ何を言われたとしても自分という人間の価値が下がるわけではないと、まいにちパン子は訴える。

 嫌な言葉をスルーするのはなかなか難しいものだ。しかし、そもそも悪口を受け取るか受け取らないかの自由は自分にあるのだと気づけたら、ネガティブな言葉を向けられるのが少し怖くなくなる。

 どんなに良いことをしたってネガティブな意見は必ず寄せられる。だったら自分はどう生きたいか……。そう考えるきっかけも、まいにちパン子は授けてくれるのだ。

職場での理不尽なダメ出しに心が折れたとき

 本書には、仕事でのあるあるなモヤモヤを解決するヒントも掲載されている。なかでも心に留めておきたいのが、職場で理不尽なダメ出しをされた時の心の守り方だ。

 責任感が強かったり、生まれつき感受性が高いHSPだったりすると、「ダメ」という烙印を押されたら自分を必要以上に責めてしまうだろう。だが、そのダメ出しは周りの総意ではなく、ひとつの意見にすぎないと心得ておきたい。

 他人から向けられる言葉は、その人自身のコンディションによっても変わる。だから全ての意見を自分の中に取り入れようとせず、信じたいと思える相手の意見だけを選んで大切にすればいい。まいにちパン子はそのようにアドバイスする。

 この思考は周りの雑音に惑わされず、職場での自分の価値を正当に自己評価する時にも役立つはずだ。自分で思っているよりもあなたはきっとダメな人間ではないのだから。

 なお、本書には不安になった時に役立つポジティブ思考も掲載している。他人を羨ましく感じた時や、自分を選んでもらえなかった虚しさを感じた時などにも寄り添ってくれる。

他の「誰か」になろうとするから苦しくて 上手くいかない
「あなたはあなたのままでいいんだよ」

 この言葉が、不器用な自分の生き方に自信が持てない頑張り屋さんに届いてほしい。

文=古川諭香

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