お笑いコンビ「品川庄司」の不仲説。仲が悪かった過去から続く、相方・品川さんへの感謝の気持ち【庄司智春インタビュー 後編】

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更新日:2025/3/31

2025年で芸能活動30周年を迎える芸人コンビ「品川庄司」の庄司智春さん。2024年11月より、ダ・ヴィンチWebで自身初となる漫画『 庄司智春の子育て漫画〜子どもが3人いるんです!〜』の連載を開始した。本連載では、妻・ミキティさんと3人の子どもたちとの日常が余すことなく描かれている。

家族からの反響や子どもの将来について語ってもらった全編に続き、後編では、お笑いコンビ「品川庄司」として目指していきたいこれからや、相方・品川さんとの不仲だった過去など、「芸人としての活動」を軸に品川庄司・庄司智春としての今後に迫った。

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お笑いコンビ「品川庄司」としてのこれから

――今は品川庄司というコンビとしてではなく、別々での活動をされているイメージが強いのですが、「コンビで活動したい」という気持ちはあるのでしょうか?

庄司:そうですね。今は毎週YouTubeで生配信をしているのですが、それ以外でもコンビの時間ができたらいいなとは思いますね。同じ番組でも「片方ずつ呼んでもらう」ということが多いので。どうしても中堅どころのコンビは、なかなかふたりとも呼んでもらえることが少ないんですよね。

 それこそ、若手のころは「品川庄司で番組を作りたい」と思っていたんです。今もその夢を捨てたわけではないので、何か良いきっかけがあれば品川庄司として活動したいですね。

――2023年から「THE SECOND」がはじまりましたね。そうした賞レースへの出場意欲はありますか?

庄司:スケジュール次第ですが、意欲はあります。ただ、ネタを書いてくれているのが品川さんなので、映画監督としての撮影スケジュールの調整もあって……。

 もし「THE SECOND」にチャレンジするのであれば、ネタを詰める必要があるのでなかなか時間の都合が難しいんです。ただ、品川さんから「一緒にやってみようぜ」って言われたらもちろんやります。

まことしやかに囁かれていた「品川庄司不仲説」について

――かつては仲が悪いことで有名でしたが、アメト――ク!の「どうした!?品川 」のラストで品川さんが坊主にされてからコンビの関係が少し変化したのかなと感じました。

庄司:そうですね、品川さんが全体的に丸くなったっていうのもあると思います。でも、「どうした!? 品川」がきっかけでまた近づけたのは、品川さん自身やアメト――ク!のスタッフさん、東野さんのおかげもあるんです。

 最後に僕が叫びながら登場する構成にしていただいて、ふたりになって品川さんの髪を切って坊主にするのも受け入れてくれて。

――そこがきっかけで仲直りされたんですね。

庄司:今も楽屋で雑談をするような仲ではないですが、僕個人的には、芸人のコンビが仲悪くても「そんなもんだろう」とも思っていて。仲良いに越したことはないと思うけれど、たとえ仲が悪くてもコンビで舞台に立って漫才できるのは芸人ならではの「かっこよさ」でもありますから。

 もちろん、品川さんとの今の関係はすごく楽しいし、良い関係だなと思います。けれど、仲が悪かった時期でも不思議と漫才の舞台に立てていたし、レギュラー番組もあったんですよね。だから、楽屋で一言も話さないコンビがいたって良いんだと思います。

――第1話の告知ポストを、品川さんがXで「また何かはじめてる」と引用リポストしてくれてましたね。

引用:品川祐公式X

庄司:そうみたいですね。でも、多分同じように昔も応援してくれていたと思うんですよ。ただ、勘違いされやすい発言が多かったからそう見えづらかっただけで。

――実際は応援していたけど、強気な発言ばかりがメディアに取り上げられていたということでしょうか?

庄司:そうですね。きっと、「自分が芸能界で一番だ」という自信に満ちた言動が視聴者や共演者にとって偉そうに見えていたんですよね。ただ、歳をとってきて品川さん自身が「そういう言動は偉そうに見られるんだな」と、少しずつ分かってきたのではないかと感じています。先輩のトークを横取りしたり、メインじゃないのにしゃべり過ぎたりという尖った部分が自然に取れてきたのかなと思いますね。

 そうした尖った言動を批判されることはあったけれど、これまでも「何度も背中を押してくれているな」と思うことはあったので、品川さんからの応援はありがたいです。

妻子がいる今だからこそ思う、庄司さんの幸せな人生とは?

――お話を伺っていて、家族との関係も良好で仕事も楽しくされていて、とても幸せな人生を歩まれているのではないかと感じました。

庄司:そうですね、30年芸人としてお仕事させてもらえて来たことが本当に幸せで、とにかく「ありがたいな」と思います。今僕が見ている世界は、品川さんとコンビ組んだからスタートしていることなので、品川さんとの出会いにも感謝しています。

 仕事以外では、かわいい奥さんと結婚できて、子宝にも恵まれて。ちょっと大げさですけど、「ずっと奇跡が続いているな」という感覚です。

――「ミキティ」と叫ぶネタで慣れてしまっていましたが、冷静に考えると「藤本美貴」さんが配偶者ですから。ミキティさんのファンをはじめ、うらやましいと思う人も多いのではないでしょうか

庄司:そうだと思います。家族やファンはもちろん、先輩やテレビのスタッフさんなどたくさんの人のおかげで今の幸せがあるので、色々なことに感謝して恩返ししていきたいと思っています。具体的に何ができるかは、まだ分からないですけれども。

 でも、こういう感謝の気持ちが芽生えたのは、多分最近なんです。それこそ、新人のころはずっとイライラしていたので……。

――確かに、あのころの庄司さんはギラギラしていた印象があります。

庄司:若手のころはとにかく「自分たちが上がっていかないと!」みたいな感じでした。人気芸人になる前に品川庄司が潰れちゃったら何もないだろう! と思っていましたね。ただ、歳を重ねて、前に前に出るやり方を「間違っていたな」と感じることもあります。もちろん、ガツガツ仕事してきたからこそ、芸人として食べるのに困らないくらいお仕事をさせてもらえるようになったっていう部分もあるのですが。

 こうして失敗だったなと思うことがあるからこそ、「こういう人は嫌だな」「こういう人はこんな目に遭ったな」という経験は子どもたちに伝えるようにしています。

――人生の先輩として伝えたいことがたくさんあるんですね。

庄司:僕自身、ふとしたときに父に言われた何気ない一言を思い出して勇気をもらうことがあって。子どもたちが大人になるにつれて伝えられることが増えると思うので、できるだけたくさん言葉を伝えるようにしています。いつか人生の壁にぶつかったとき、「お父さんはこう言っていたな」と思い出すような、生きるヒントになれればいいなと思います。

お笑い芸人・庄司智春として今後目指していきたい方向性

――これからも芸人や夫婦タレントとして活動されると思うのですが、今後どうなっていきたいというイメージはありますか?

庄司:そうですね……今いただいている仕事が大好きなので、もっとやりたいと思っています。ただ、将来のことを考えるために「芸人になった原因って何だろう?」と自分の原点に帰ることがあるんです。

――お子さんなら、キラキラしている姿に憧れたからアイドルになりたいとか。

庄司:そうそう。芸人なら「とんねるずさんに憧れて」とか、「さんまさんと紳助さんのひょうきん族を見て」とかあるじゃないですか。

――はい。

庄司:ふと、「お笑いが好き」という気持ちから芸人になったんだよなって思い出すんですよね。だからこそ、現状に甘えずにもっとお笑いの仕事も充実させたいなと思います。もちろん、夫婦タレントとしての仕事も大好きなんですけどね。

 とんねるずさんはタレント性がすごいし、武道館でライブをする姿にも憧れていました。同じように歌を出して紅白に出るくらいヒットしている芸人さんの姿を見ると、50歳手前でも「色んなことをやりたいな」と思わされますね。

 挑戦したいことがたくさんあるからこそ、「やりたいこと」は声に出して言っていこうと思っています。大きい会場でライブをしたり、出られるのであれば紅白に出たりしてみたいです。中学生や高校生、子どものころに憧れていた夢を叶えるために、今どういうチャレンジが必要なのかということは常に考えています。

――庄司さんが「やりたい!」っていうと、叶うような気がします。

庄司:本当ですか(笑)。でも、言ってみないとはじまらないし、とりあえずやってみないとどうにもならないなというのは実感しているんです。品川さんはNSCに入ったとき、「芸人で成功したら映画撮りたい」と言っていたんです。僕は僕で「芸人で成功したらアイドルと結婚したい」と話していて。そういう風に夢を口に出してきたからこそ、叶えることができたのかなと思いました。

 これからは「もっと品川庄司をテレビでみたい」と思ってくれる人を増やしていきたいと思っています。今は夫婦のYouTubeをたくさんの人に見ていただいているけれど、「庄司智春」としての活動もまだまだできることはあるだろうから、もっと貪欲に活動していきたいです。

取材=金沢俊吾 文=押入れの人 撮影=金澤正平