「材料4つまで」のレシピ動画と書籍が大ヒット! syun cookingさんが「どの家庭でも作れる簡単なレシピ」にこだわるワケ【著者インタビュー】
公開日:2025/3/12

カップヨーグルトを「型」としても活用してレアチーズケーキを超簡単に作ったり、市販のカップアイスを使って“材料4つ”でモンブランやカヌレを作ったりと、驚きに溢れた簡単レシピで知られるsyun cookingさん。SNSの総フォロワー数は300万人超(2025年1月時点)とその人気は絶大で、初のレシピ本『常識やぶりのアイデアおやつ ~「材料4つまで」の100レシピ 』(大和書房)は「第11回料理レシピ本大賞 in Japan 2024」【お菓子部門】大賞を受賞し、2024年秋には『ますます常識やぶりのアイデアおやつ~「材料4つまで」の100レシピ』(大和書房)が発売され、さらに注目を浴びています。その“簡単さ”と“作る楽しさ”が両立したレシピ開発の背景などをご本人に伺いました。
チーズケーキだけで300種のレシピを用意するワケは?

――私はスイーツ作りには苦手意識があってほぼ未経験だったのですが、syun cookingさんのレシピはどれも楽しく、簡単に、美味しく作ることができ、驚きました!
syun cookingさん(以下、syun cooking):ありがとうございます。嬉しいです。
――1冊目のレシピ本『常識やぶりのアイデアおやつ ~「材料4つまで」の100レシピ』は2024年いちばん売れたスイーツ本となりましたが、特に評判が良かったレシピはどれでしょうか?
syun cooking:YouTubeやTikTokでは、もっちり食感のドーナツや食パンで作るクリームドーナツの評判が良かったです。あと表紙に使われているヨーグルトカップケーキも反響が大きかったですね。
――「市販ヨーグルトのカップを型にしてケーキが作れちゃう」ということがひと目で分かるこの表紙は、見るだけで「自分も作ってみたい!」という気にさせられます。
syun cooking:ありがとうございます。書籍を作りはじめる段階から「この本の表紙はこれでしょ」と話していました。撮影してみたらやっぱりインパクトが大きくて、「これは決まりだね」となりました。

――このヨーグルトカップケーキを含めて、syun cookingさんのレシピは「市販食品を材料に使うこと」「そのカップやパックなどの容器も型として利用すること」が特徴だと思います。お菓子作りをはじめたのは高校生の頃だそうですが、どうしてこのようなレシピを作るようになったのでしょうか?
syun cooking:YouTubeをはじめて数カ月ほど経った頃、市販のクッキーを使ったレシピがヒットしたのがきっかけですね。そのレシピが材料4つだったこともあり、視聴者のみなさんが「簡単さ」を求めてるのも分かりました。そこから「もともと味が付いているこの市販食品を入れたら材料を減らせるかな?」「この3つの食材をこれ1つに置き換えたら簡単になるな」みたいに考えるようになり、材料を4つに絞ったレシピを作るようになりました。
――SNSでレシピを見ている人たちは、やはり「簡単にできること」を求めているんですね。
syun cooking:そう感じます。たとえばバレンタインデーのチョコレートも「作り方が分からない」「お菓子作りは難しそう」というイメージから作らずに買う方が多く、お菓子作りにチャレンジしづらい状況が今はあると思います。そうした方に見てもらえる動画を積極的に作るなかで、「お菓子作りが趣味になった」という声をいただけるのは嬉しいです。
――書籍のいろいろなレシピを実際に作ってみたのですが、ヨーグルトやアイスクリーム、絹ごし豆腐などを材料に使ったレシピが、どれも“ちゃんと美味しいスイーツ”になっていて驚きました。やはりレシピ開発では試作を繰り返すのでしょうか?
syun cooking:いえ、僕は今は一切試作をしていなくて、動画も一発撮りなんです。レシピを考えるときは、チーズケーキであれば「クリームチーズは絶対に使うよな」という土台の部分をまず固め、そこから「何を何に置き換えたら材料を減らせるか」「どの材料を抜けば工程を減らせるか」を考えていきます。また最近は物価高なので、高い食材をできる限り使わないことも意識していて、値上がり中の卵を抜いたレシピを考えることもあります。あと普通のスーパーで手に入りづらい食材も極力使わないですね。その逆に、みなさんに馴染みのある市販食品を使うと、より簡単だと感じてもらいやすくなる印象があるので、市販食品を積極的に使っているんです。
――「視聴者がいま何を求めているのか」をしっかり考えてレシピを作られているんですね。
syun cooking:そうですね。僕の場合はチーズケーキだけでも300種類のレシピがあったりと、1つのスイーツに対して何十、何百ものレシピがあるのがひとつの特徴だと思います。それは、「それぞれのご家庭にある食材は絶対に違う」と思っているからです。なので、たくさんのレシピを用意して、それぞれのご家庭に合ったものを作れる状態にすることは大事にしています。
――お話を伺っていると、マーケティングの感覚が素晴らしいなと感じます。「お菓子作りが好き」というだけでなく、「世の中の人が何を求めているのか考え、需要に合ったものを作る」という作業自体も楽しんでいるんですね。
syun cooking:そうですね。そうやって第三者の視点を意識することでこそ、新しいレシピを生み出せている部分もあります。また、YouTubeやSNSは視聴者さんがいないと成り立たないものなので、視聴者さんにしっかり寄り添うことは大事にしています。