江戸城で尾長鶏「家康」の密室殺“鳥”事件が発生! ミステリー作家・森晶麿の激ヤバ小説が読める投稿サイト「ネオページ」とは【インタビュー】
PR 公開日:2025/3/17
命の軽さ、歴史性からの解放。「ライト」にこだわった『鳥奥』

――『鳥奥』で、森さんが大きな挑戦をした点、趣向を凝らした点はありますか?
森:ヒクイドリに限らず、僕は昔から鳥が好きで、動物園でも鳥小屋の前で足を止めることが多かったんです。鳥の躍動感、生命力の強さ、生きるか死ぬかのシンプルな世界で生きるあの目が好きで。そういう生命力を感じさせつつ、同時に命の軽さも描きたいと思っています。
今回こだわっているのはライト。先ほどもお話ししたように、歴史性からも解き放たれたライトな世界で、命もライトに扱っています。だから人も鳥もサクサク死んでいきますが、それを残虐ではなくユーモアを交えてライトに描けたら。江戸時代も、残酷で命が軽くて、ユーモアを大事にしている時代だったと思いますしね。
また、今回は物語の構図がウェスタンなんです。敵ばかりの中に乗り込んでいき、やっつける。明確にウェスタンを意識した小説を書くのは、今回初めてかもしれません。
――森さんが考えるウェスタンとは?
森:僕が西部小説の書き手として一番好きなのは、エルモア・レナードです。彼の小説『ラム・パンチ』をタランティーノが映画化したのが、『ジャッキー・ブラウン』。僕はタランティーノも大好きなんですよね。
エルモア・レナードは、敵キャラクターが魅力的。バックボーンをとても丁寧に描くんです。最後はその敵が倒されますが、ゆったりした流れの中に緊張感もあって。しかも、敵が好ましいのに、殺されても悲しみはなくカラッとしています。僕も、そういうウェスタンを書いてみたいですね。
――現時点での手ごたえはいかがでしょうか。
森:自分でも、自由にやってるなーと思いますね。相変わらずだなと思う部分もあれば、デビューした頃と同じではないと思う部分もあり、デビューから13年でこれを書いている自分ってどうなんだという思いもあり(笑)。「いいんだ。それがすごいところなんだ」と自分に言い聞かせながら書いています。
おかげさまで「歴史・時代」部門ではランキング1位になりましたが、まだまだですね。これからもっと引きを強くして、まだ読んでいない人をどんどん取り込む展開にしていきたいです。
――読者からのコメントはご覧になっていますか? コメントによって、ストーリー展開に影響を及ぼすことはあるのでしょうか。
森:コメントはすべて拝見し、「いいね」をつけています。ストーリー展開への影響は、今のところありません。ただ、マーケットの流れを見て反応するのがWeb小説ですよね。自分の中のこだわりをなくして、フットワークを軽く動ける準備をしておこうと思っています。今後は、場合によって臨機応変に対応することもあるかもしれません。
作家がフルスイングできる場をひとつでも多く用意したい
――冒頭でお話があったように、「ネオページ」では投稿者と編集者が二人三脚で作品を制作する態勢が整っています。おふたりは「ネオページ」のどんなところにメリットを感じていますか?
伊丹:昨今、書籍を出版するまでのハードルがどんどん高くなっています。企画会議で問われるのは、作品の面白さや新しさではなく、その作家さんの過去の実績。それならAIでも判断できますし、編集者のモチベーションも下がってしまいますよね。
編集者の本来の楽しさは、原石を見つけ出し一緒に磨き上げること。作家さんも、自分の作品が多くの人に読まれ、自分の予想を超える作品になっていくことに夢を感じてくださるのだと思っています。
こうした中、作家さんと編集者がお互いの役割を十二分に発揮でき、より多くの機会を提供できるのが「ネオページ」です。作家さんがフルスイングできるよう、ひとつでも多くのバッターボックスを用意できればと思っています。
森:今はまだ書籍化をゴールに据えて、Web小説を投稿する方も多いですよね。でも、YouTuberのゴールがテレビ出演ではないのと同じように、Web小説の書き手の意識がガラッと変わる時代が来ると思うんです。そんな中で、「ネオページ」のように編集者がアドバイスをくれるシステムはすごくいいですよね。作家のモチベーションになると思います。
それに、進捗状況に応じてひと声かけてくれるのもいいですよね。作家は、締切さえあればやる気が出ます。もしデビュー前に「ネオページ」があったら、僕も使っていたと思います。
――今、小説をWebサイトに投稿している方、これから小説を書こうと思っている方に、メッセージをいただけますか?
森:先日、X(旧Twitter)で「書きたいものを書くべきか、売れるものを書くべきか」という問いが話題になっていました。でも、売れるかどうかは運次第。それに、売れる要素は4、5年しか有効ではありません。今売れる要素にこだわって、その牙城だけ築いても、他を伸ばさなければその後行き詰まってしまうと思います。もちろん時代が求めるものを書くことも大事ですが、同じように挑戦することも大事。自分に何が向いているのか考えながら自由に、「とにかくこれが書きたい」という塊をぶつけてほしいですね。
伊丹:投稿者の中には、「褒められたい」という思いを原動力に作品を書く人も多いと思います。私はイベントでとにかく作品を褒める「ほめます編集長」をやっているんですね。やっぱり誰かに褒められるとうれしいのか、とてもご好評をいただいています。
ですが、私が褒めなくても自分で自分を褒めればいいと思うんです。「今日は1行書けたから偉い」「こんなにセンスのいい1文を書けたから偉い」「3日続けて書けたから偉い」。その繰り返しで、作品が生まれると思います。
まずは、メモ帳代わりに「ネオページ」を使っていただければ、何か見えてくるかもしれません。プロの作家になるかどうかは別として、ものを作る習慣が人生に彩りを添えるのは間違いありません。このプラットフォームを通して、その一端を担っていきたいので、ぜひ「ネオページ」を活用していただきたいですね。
取材・文=野本由起 撮影=中惠美子 撮影協力=WeWork KANDA SQUARE

プロフィール
森晶麿(もり・あきまろ)
1979年、静岡県浜松市生まれ。『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(以後シリーズ化)。同年『奥ノ細道・オブ・ザ・デッド』(PHP研究所)を刊行。『切断島の殺戮理論』(星海社)『名探偵の顔が良い 天草茅夢のジャンクな事件簿』(新潮社)等著書多数。4月刊行予定作に『あの日、タワマンで君と』(小学館)がある。
小説投稿サイト「ネオページ」
日本新時代の小説投稿プラットフォーム。ジャンル別のランキングでお気に入り作品を発掘しやすいのが魅力のひとつ。書き手にとっては「編集サポート」ボタンで編集者にチャットで相談できる機能など、編集者との二人三脚で作家を目指せる仕組みも。
https://www.neopage.com/