月島の行列デカ盛り刺身! ジャンポケおたけ・中学の大先輩「魚菜 はざま」店主と再会/ジャングルポケットおたけの連載「おたけ、もんじゃ、ときどき芸人」
公開日:2025/4/18

もんじゃ屋と芸人の二刀流で活動するジャングルポケットのおたけさんが、もんじゃと月島の魅力を伝える連載「おたけ、もんじゃ、時々芸人」。街歩きレポ、縁のゲストとのトークレポ、エッセイなどを通して、様々な角度からお届け。
今回のトークゲストは、「魚菜 はざま」の店主・間(はざま)太一さん。「魚菜 はざま」は、安くて美味しい海鮮を求めて連日行列が絶えない、度々メディアでも取り上げられる有名店だ。
おたけさんと間さんの関係は中学校の先輩後輩。年齢差は9つだが、実家がもんじゃ屋という共通点もあり、以前から親交があったとのこと。そんな昔馴染みの2人による対談の様子をお届けする。
月島で海鮮を食べるならここ!15年続く「魚菜 はざま」
おたけ:お久しぶりです!「魚菜 はざま」さんはいつからやってるんでしたっけ?
間太一さん(以下、間):15年前だね。2009年かな。

おたけ:すごい長いですよね。月島だともんじゃ屋以外の飲食店って結構潰れたりしますからね。移転したのは去年でしたっけ?
間:そうそう。再開発の関係でね。だからこの場所って、中央区の持ち物なんだよ。一時的に借りてる。
おたけ:へぇ。そうなんですね。今ってお店は夜やってないっすよね。
間:うん。前はやってたけど、朝の2時に起きて、22時まで営業って全然無理だったもん。もうストレスしかなかったもん。
おたけ:今は何時までやってるんですか?
間:11時〜14時だけど、大体15時ぐらいまでやってるかな。そこからゆっくり片付けてる。
おたけ:お酒飲みながらね(笑)。豊洲にはどれぐらいの頻度で行ってるんですか?
間:毎日行ってるよ。3時に起きて5時に築地市場に買い付けに行って、鮮魚を置きに店に戻ってきて、もう一度重い魚介類などを取りに築地に。毎日2回は行ってるね。
水曜日は市場自体が休みだけど、水槽に泳がせてるやつをとりに行ってる。土曜日とかはゴミだけ捨てに行くよ。毎日通ってるから、いろんな人と顔馴染みになってる。ゴミ捨て場の番頭みたいな人とかもね。
築地市場に月島出身者が多いワケ
おたけ:お店やる前は築地市場で働いてたんですよね。
間:そうそう。中学卒業してから働き始めて。この辺りの中学の悪いやつって、築地に行く人が多かったんだよ。だから築地市場には月島出身の人が多い。
自分が中卒で入った35年前ぐらいは、力さえあればいいって感じで。初任給で30万以上もらってましたね。
おたけ:すごいっすね。
間:中学校もろくに行ってない自分に務まるかなって思ったけど、先輩の紹介で入ったから、サボるとぶっ飛ばされるんだよね。
おたけ:だからサボらずに行ったと。
間:いや、サボったけどね。で、ぶっ飛ばされる(笑)。まぁでも行ったらお金もらえるから、なんとか行ってたよね。

おたけ:新参者が築地に行ってもいいネタが仕入れられないって聞くんですが、やっぱ月島の先輩後輩の関係性があるから、いいネタを安く仕入れられるんですか?
間:まぁそれはあるね。もう30年ぐらい行ってるんで。
荷受(卸売業)が取り扱わないものを仕入れるとかね。品質的にも賞味期限の面でも問題ないのに処分しなきゃならない商品って結構あるんですよ。
おたけ:それって誰でも仕入れられるわけじゃないんでしょ?長年市場に通ってるからこそのルートで安く仕入れられるってことですよね。
間:まぁそうだね。市場内にもネットワークがあって、そのトップの人と仲が良かったりするしね。「◯◯を仕入れたい」ってお願いすると、バーっと集めてくれる。
おたけ:すごいなぁ(笑)。
間:本当に豊洲って魚が余ってるから、それを安く手に入れるためには、とにかく関係性だね。
ちなみに食べられるけど捨てなきゃいけない商品って、どうなるか知ってる?
まずは人間相手に売って、売れ残ったものは水族館に行ってエサになる。そこから余ったのは油にして化粧品の原料になる。すごい良質な油だからね。さらに残ったものはチョークにしたり、キャットフードやドッグフードに使ったりしてる。
おたけ:へぇ。そうなんですね。
…って、あれ?◯◯さん?(編集部注:中学校の先輩がお酒の納入のために登場)え、うわーめっちゃ久々。懐かしい。
やっぱ月島にいるとね、こんな感じで昔馴染みにしょっちゅう会えますね(笑)。
間:浩三(編集部注:おたけさんのこと)とはよく一緒に飲んでたもんね。まだ芸人をやる前にね。
うちも実家がもんじゃ屋で、お店が終わる時間が大体一緒なんだよね。で、後輩を連れて飲みに行くと、浩三も後輩連れて飲みに来てて、結局一緒に飲むっていう。
おたけ:昔あった「黒門町」って居酒屋によく行ってましたよね。懐かしいなぁ。当時は海鮮が食べたいってなったら「黒門町」でしたよね。それが今「魚菜 はざま」になったって感じなのかな。結構いろんな方が来てますよね。
間:芸人さんも結構来るよ。浩三の紹介で来たのかなと思って。
おたけ:勝どきとか人がいっぱい住むようになって、芸人以外でもタレントさんとかも結構いるんじゃないですか。
間:◯◯さんとかしょっちゅう来るよ。ちょっと言えない話もいっぱいあるけどさ、××関係のすごい…
おたけ:書けない話はしないでください(笑)。

デカ盛りは開店当初からの代名詞
おたけ:ちょっとお店の話に戻りましょ。15年前にお店はオープンしたんですよね。そもそもどうしてお店をやろうとなったんですか?
間:築地市場で働いていて、魚を捌いてるうちになんか海鮮のお店やりたいなって思って。
こんな感じの店にして、こんな感じのメニューにしようって場内で写真をパシャパシャ撮って。
イメージはもう完璧だったから、勢いでオープンしたのよ。初日からお客さんがバーっと並んでくれてたんだけど、開店直後にお客さんから「メニューは?」って聞かれたのよ。
おたけ:用意してなかったんですか?
間:そう。でも価格とかはちゃんと決めてたからその場でバーっと書いて。で、いざ料理出したら「火が全然入ってない!」とか言われて。具材が大きすぎたからさ。
おたけ:え、試作とかしなかったんですか?
間:しないよ。魚は捌けたから大丈夫だろうって。とにかくこういうメニューをこの価格で出せば喜ばれるよねってイメージだけでやってたから。
おたけ:当時からデカ盛りはやってたんですか?
間:今よりもっとデカ盛りだったよ。宣伝するより量で話題になろう!って思ってたから。デカ盛り曲線で言うと、開店当初が一番デカ盛りで、その後ちょっと少なくなって、今また多くなった。
なんでちょっと少なくなったかっていうと、結婚して子供ができたから、嫁がやめろって。
おたけもっと利益を考えろってことだったんですかね。
間:お客さんは変わらず来てくれたけど、話題性はなくなるよね。でも仕入れたネタは大量に余っちゃうから、結局家に持ち帰るのよ。だったらお客さんに提供したほうがいいよなって思って。
おたけ:それで今はまたデカ盛りになったと。じゃあせっかくなんで、お料理いただいていいですか?

間:まず刺盛り食べてみて。せっかくだから今日もらった魚も。あと3日ぐらい寝かせた方がいいんだけど、コリコリで美味しいよ。
おたけ:もらった魚は単品で出さないんですか?
間:だいたい刺盛りの横に載せるかな。これで儲けようとは思ってないし。
おたけ:月島って築地市場と近いのに、意外とランチで海鮮を出す店ってなかったよね。居酒屋とかはあるけど、それは夜だし。ランチは町中華が多いイメージ。あとは蕎麦屋か。
ここ10年くらいでタワマンができたり、オフィスが増えたりして、ちゃんとランチが食べられる店が必要になったのかもしれないですね。
間:これが釜揚げしらすね。ご飯もいる?
おたけ:あ、いただきます!…って、すごいボリュームですよね。これでなんで400円なんですか?
間:牛丼390円なら、これが400円は妥当でしょう。
おたけ:優しすぎるでしょ(笑)。あー、マグロのモモ肉も弾力があって美味しいですね。
間:これは市場でマグロの頭だけ扱ってるお店があって、そこから仕入れたやつ。脳天だろうがほっぺだろうが、何でも売ってますよ。逆にそこしか売ってないかな。
おたけ:ネギトロも笑っちゃうくらいデカ盛りですね(笑)。
間:それはさっき話した某ネットワークで仕入れたやつね。

おたけ:一番人気はやっぱり刺盛りですか?
間:そうだね。ちょっと前にSNSで人気が出たのはデカ盛りのうにだけど、いつもあるわけじゃないんだよね。たまたまその時期安く仕入れられたから出してて。ほら、安く仕入れられるものってその時々で変わるから。
おたけ:だから外に「うにの入荷はありません」って書いてあったのか。
あー、めちゃくちゃお腹いっぱいになったな。まじでどれも美味しかったです。ありがとうございます。

月島は、縁を紡ぐ人情の街
おたけ:最後に一個聞かせてください。間さんは月島にずっと住んでるわけじゃないですか。月島のどういうところが好きですか?
間:やっぱり人情だよね。昔からの関係性を大事にしてる。浩三も今でもこうやって来てくれるしさ。でもさ、改めて本当にすごいと思うよ。いきなり芸人になる!って言って、大丈夫かなって思ってたけど、想像以上にバカ売れしてさ。
おたけ:いやいや…いきなりすごい褒めてくれるじゃないですか(笑)。ありがとうございます。もちろんね、タイミングもあったと思いますが、そう言っていただけて嬉しいっす。
間:またゆっくり飲みに行こうよ。
おたけ:ぜひぜひ!お店にも来てくださいよ。僕もまた伺うんで。

<第7回に続く>魚菜 はざま
住所 〒104-0052 東京都中央区月島3丁目13−5
電話番号 03-3531-2929
アクセス 地下鉄有楽町線・大江戸線「月島駅」徒歩3分
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https://x.com/uosai_koushiki