男性の育休という選択が家族に与える本当の価値とは? 『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』が教えてくれること【書評】

マンガ

公開日:2025/3/29

 日本の男性の育休取得率は年々上昇しているものの、まだ低い水準であることは否めない。そもそも育休は男性にも必要なのか? そんな議論を耳にすることはないだろうか。

パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』(パパ頭/KADOKAWA)は、男性の育児休暇の本質的な価値が描かれた心温まるコミックエッセイだ。

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 本作の主人公は子どもたちと妻のため2度の育休を取得したパパ。妻とともに初めての育児に奮闘する様子に「わかる!」と共感する人も多いのではないだろうか。

 子どもと過ごす時間はジェットコースターのようなものだ。時間をかけて作った離乳食をぶちまけられたり、なかなか寝てくれない子どもに頭を抱えたりする瞬間もあるだろう。しかし、そんな中でも子どもと一緒に熱い食べ物を「フーフー」する瞬間や、大切そうにおもちゃを扱う姿に心が震えるほど感動することもあるのだ。ひとりだと大変さばかりが際立ってしまうこともあるかもしれない。でもふたりそろって子育てに向き合える育休だからこそ、育児の素晴らしさにも気付けるのではないだろうか。

 本作を読んで感じたのは、育児を「分担」ではなく「共有」することの大切さである。育休は単に大変な作業を分担するためだけにあるのではない。最も大変でありながらも最も愛おしい乳幼児期を夫婦で共に過ごし、共有し合える喜びこそが、育休の本質的な価値なのかもしれない。

 育休を取っていなければ、パパは基本的に仕事の前後や休日だけしか子どもと関わることはできないだろう。育休を取得することで一緒に過ごせる時間が増えていく。この時期ならではの子どもの成長を、夫婦ふたりで見守り、語り合うことが育休後の夫婦生活にも良い影響を与えるのではないだろうか。

 育休を取るべきか迷っている男性や、パートナーに育休を取ってもらうか悩んでいる女性にぜひ読んでいただきたい作品だ。この本を通じて、人生を豊かにする家族との関わり方のヒントが見つかるかもしれない。

文=ネゴト / くるみ

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