川谷絵音「他人に適当なことを書かれるくらいなら自分で書く」。幼少期から現在までの“事件”を綴った初エッセイ、執筆の裏側【インタビュー】

小説・エッセイ

公開日:2025/3/27

●活動はすべて「親孝行」のためにやっている

――日頃から本は読まれますか?

川谷:読みます。大沢在昌さんの作品が好きで、「新宿鮫シリーズ」とか大好きです。暴力団とか出てくるどんちゃん騒ぎ系ヤクザものとか好きですね。

――これまた意外です!

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川谷:めちゃくちゃ事件が起こっているやつしか読まないです。内面とか書いているものは寝ちゃうし、いまどきの作家さんの本も買ったりはするんですが、展開が少ないと途中で挫折しちゃう。実はうちの母親が文学大好きで、純文学的な本が家にいっぱいあって、その反動か、純文学が苦手になってしまったんですよね。映画にしても坦々としているのは苦手で、韓国ドラマみたいに毎回次を絶対見たくさせるような感じのものばかり見ています。もちろん例外もあるんですけど(笑)。

――むしろそういう坦々としたほうが好きなタイプだと思われませんか?

川谷:そう思われてますね。どちらかというと映画よりもアニメの方が好きだし。1話20分くらいで終わるから短くて良いんですよね。

――本書には「売れること」の大事さについて前向きに、がっつり書いているのも興味深かったです。清々しいな、と。

川谷:昔からJ-POPのランキングをずっと見てきたし、「いくつになっても人の目に触れていたい」という思いはすごくありますね。別に今のままでもやっていけるんですが、ただの繰り返しになる人生ではつまらないとも思うし、「売れなくても別にいい」というふうにはしたくない。そういうのはかっこ悪いと思う人もいるとは思いますが、それはそれでいいかなって。ずっと輝いている先輩、たとえばスピッツの草野さんとかは、以前お話させていただいた時に、ちょっとギラギラした部分があったんですよね。若手の音楽もすごく聴かれているし、僕もそんなふうにありたいなと思います。

――最後に本書が初の著書となります。その意味では単純にうれしさはありますか?

川谷:そうですね。親も喜んでくれたので。実は僕は、テレビに出るのも全部「親孝行」のためにやっているんです。やっぱり自分自身が「この職業をやっていてよかった」と一番思えるのは、親や兄弟、親戚が喜んでくれることで。もちろんいろいろな方からの祝福もうれしいですが、やっぱり親族が喜んでいる姿を一番見たい。恥ずかしさとかいろいろありますけど、そういう意味ではこの本を書いてよかったですね。

取材・文=荒井理恵、撮影=藤巻祐介

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