無料スマホアプリや100均アイテムでOK! スケジュール管理、コミュニケーションなど発達障害の人の悩みに応える実践アイデア集【書評】

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PR 公開日:2025/5/22

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人のための完全ガイド [仕事][人間関係][生活][お金]の悩みがすべて解決!
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人のための完全ガイド [仕事][人間関係][生活][お金]の悩みがすべて解決!對馬陽一郎、安尾真美、村上由美/翔泳社

 発達障害の知名度があがり、大人になってから自分の特性に気づく人が増えている。発達障害の人には、「同時並行作業力が弱い」「段取りが取れない」「ケアレスミスをする」「コミュニケーションが苦手」といった特徴があり、仕事でもプライベートでも苦戦する場面は多い。そんな日常の困りごとを少しでも解消する方法はないものだろうか。

 そんな悩みを抱える人には『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人のための完全ガイド [仕事][人間関係][生活][お金]の悩みがすべて解決!』(對馬陽一郎、安尾真美、村上由美/翔泳社)を手に取ってもらいたい。既刊である「ちょっとしたことでうまくいく」シリーズ、『発達障害の人が上手に働くための本』『発達障害の人が会社の人間関係で困らないための本』『発達障害の人が上手に暮らすための本』『発達障害の人が上手にお金と付き合うための本』を1冊にして一部加筆修正したものが本書である。

 発達障害のある人やその傾向がある人が直面するさまざまな悩みを、多くの事例、原因、解決法の順に紹介しつつ、すぐに使える工夫が掲載されているから、かゆいところに手が届いた内容だと感じる。

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 たとえば、発達障害の人の多くが抱える悩みのひとつがスケジュール管理の難しさ。本書によると、予定をすぐに忘れてしまうならばスケジュール帳にこだわり、気の散りやすいADHDはシステム手帳を活用、曖昧さが苦手なASDはメモ帳とは別にスケジュール帳を用意すると良いらしい。また、手帳の種類や活用法についても詳しく解説している。

 手帳をなくしやすかったり、あちこちにメモしてしまったりする癖がある人や、PCやスマホでスケジュールを管理したい人には、PCとスマホどちらで入力してもネットワークで共有されてスケジュールを無料で一元管理できるGoogleカレンダーについてや、予定を見落とすことがないようPCの起動時にカレンダー表示される設定方法も紹介。さらに「予定に+30分の自分用予備時間を入れておく」という予定記入術や、100円ショップでも売られているホワイトボードやキッチンタイマーのようなカウントダウンタイマーを活用する方法まで解説している。本書で触れられている内容は、類書では「気をつけましょう」「前もって準備しましょう」などと簡単に済ませてしまっている部分を、医療的なアプローチだけでなく、当事者が実際に編み出したり見つけたりした方法について触れられているからとても実践的なのである。無料サービスやスマホアプリ、100円ショップのアイテムでできるものなどが多いので、無理なくできそうだと思ったものは気軽に試してほしい。

 スケジュール管理以外にも、ケアレスミス、物忘れ、片付け、他の人とのコミュニケーション、報連相、お金の使いすぎなど、仕事や生活の上での困りごとを解決するためのアイデアが詰まっている。だから自分の必要とする項目を辞書のように開いて使うのも良いだろう。本書が強い味方になる場面がきっとあるはずだ。

文=アサトーミナミ

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