新学期、新生活の疲れた心を癒す絵本【2025年4月・新刊&おすすめ絵本】

文芸・カルチャー

公開日:2025/5/15

4月も後半。新学期・新入学・新入園などを迎えた子どもたちも、そろそろ新しい環境になじむ頃でしょうか。毎日、楽しく登園、登校してくれていると安心していても、小さい体と心には知らず知らずのうちに緊張や疲労が溜まっていっていることを、日々子どもと接する親御さんは気づいていることと思います。

そんな時は、放課後や土日の予定をちょっと調節して、お家でゆっくり過ごす時間を作っても良いかもしれませんね。

好きな動画を観たり、ちょっと長めの映画をお家で楽しんだりすることも良いですが、映像や音声をキャンセルして、ただ静かに本を読む時間を作るのもいつもと違った雰囲気で、気持ちを落ち着けるのにピッタリ。1日10分でもそんな時間を用意してみるのもおすすめです。

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気づけばゴールデンウィークも目前。連休前のひと休みにおすすめの気持ちの落ち着く絵本をご紹介します。

君が入学した学校、ようかいむらの学校とどこが違うかな? 自分の通う小学校との違いを比べて楽しい『ようかいむらのぴかぴかにゅうがく』

ようかいむらのぴかぴかにゅうがく作・絵:たかい よしかず / 国土社

ようかいむらのぴかぴかにゅうがく

作・絵:たかい よしかず
出版社: 国土社

出版社からの内容紹介
ようかいむらのちょっと不思議な妖怪学校に入学したたまにゃたちは、ちょっと不思議なうひひひ校長先生に出会います。校長先生は相手の思っていることがわかる妖怪です。たまにゃたちの学校生活はどうなるのでしょう…。

気持ちが沈んで、なんだか涙が出ちゃったときはこの一冊。生き物たちのやさしさに触れて『みんなにこにこ』

みんな にこにこ作・絵:accototo ふくだとしお+あきこ / 大日本図書

みんな にこにこ

作・絵:accototo ふくだとしお+あきこ
出版社: 大日本図書

出版社からの内容紹介
「子どもたちに友達の大切さ、やさしさを教えてくれた絵本」

ハリネズミさんもカメさんも、みんな殻に閉じこもって泣いていたけれど、みんなにこにこに!
小さなテントウムシくんがお友達のために大活躍します。
“てくてく” “ぐるぐる” リズムよい言葉も楽しく、赤ちゃんもにっこり

俳句ってなに? 私にもできるかな?と思ったら、この「はいくえん」に入園しよう。「わくわくもりの はいくえん」シリーズ第一弾は春のおはなし『おともだち できるかな』

おともだち できるかな?作:おおぎやなぎ ちか 絵:みなみ あきこ / 国土社

おともだち できるかな?

作:おおぎやなぎ ちか
絵:みなみ あきこ
出版社: 国土社

出版社からの内容紹介
わくわくもりにひっこしてきたネコのミーニャン。「おともだちできるかな……」。ところが、わくわくもりの保育園では、みんなが575の入園式でミーニャンをむかえてくれました。そう、ここは「はいくえん」なのです……。

仲良しのくまくんとうさぎちゃんの所にやってきた『あたらしいともだち』りすちゃん。友だちの友だちは友だち…だけど、くまくんは複雑で…。3人の関係の複雑さを描いた、共感を呼ぶ一冊

あたらしい ともだち絵:いもと ようこ 企画・原案:ジュディ・デルトン / 世界文化社

あたらしい ともだち

絵:いもと ようこ
企画・原案:ジュディ・デルトン
出版社: 世界文化社

出版社からの内容紹介
3人関係の難しさとその大切さを描いた素敵な絵本!

・人間関係を学んでほしいときに読みたい1冊!
・人気絵本作家いもとようこが贈る、人間関係が豊かになる絵本 いもと先生のあとがきも必見!

幼稚園・保育園直販の絵本として発行したところ、保育士さんたちから大反響。「自分の気持ちを伝えることが大切であると感じてもらえそう」「子どもたちが考えるきっかけをもらえる」「自分の行動を振り返ったり、友だちの気持ちに共感したり、相手の立場にたって行動する・・という幼児期に育ってほしい姿に、この絵本はぴったりあてはまります」「子どもたちが感じるものがあり、真剣に見ています」・・・こんな声を受けての市販化です。

『とってもすばらしい場所』ってどんなところ? ルーカスと一緒に自分の気持ちを探る旅に出かけよう

とってもすばらしい場所作:マット・デ・ラ・ペーニャ 絵:パオラ・エスコバル 訳:さくま ゆみこ / 岩波書店

とってもすばらしい場所

作:マット・デ・ラ・ペーニャ
絵:パオラ・エスコバル
訳:さくま ゆみこ
出版社: 岩波書店

出版社からの内容紹介
■訳者からのメッセージ
 この絵本の主人公ルーカスは、「とってもすばらしい」とはどういうことかを考えていきます。それは、なんの欠点もなくカンペキということなのでしょうか? それとも……?
 ブルーカラーのメキシコ人を父親にもつマット・デ・ラ・ペーニャは、自分の貧しかった子ども時代、自信をもてなかった子ども時代をふりかえって、そこから言葉をつむぎだしているのでしょう。でも、このテーマは、わたしたちのだれもが、どこかで、少なくとも一度は考えることでもあるように思います。
 わたしも、自分の子ども時代をルーカスの体験に重ねて、思い出したり考えたりしながら訳しました。

現役医師であり作家のバティスト・ボーリューによる自分も他者も受け入れる魔法のメッセージ『みんなみんなとってもすてき』

みんなみんなとってもすてき作:バティスト・ボーリュー 絵:チィン・レン 訳:ひがき ゆみ / ひさかたチャイルド

みんなみんなとってもすてき

作:バティスト・ボーリュー
絵:チィン・レン
訳:ひがき ゆみ
出版社: ひさかたチャイルド

みどころ
休みの日には、大好きなじいじとばあばの家に、よく遊びに来るよ。ばあばは、優しくて料理が得意。じいじは、おしゃべりが得意。そして顔には小さな頃にけがをした傷がのこっている。「傷あとみたいなものは、誰にでもあるんじゃないかな」とじいじは言う。

ある日、じいじとわたしがエッフェル塔に上るために出かけると、昔お医者さんだったじいじは、みんなそれぞれに、その体だったこその思い出があるのだと話しはじめます。

腰がまがっているハキムさんは、フランスで一番のタイル職人だということ。長い手袋をして電車に乗っているマリリンさんの、嫌なことがあるとかゆくなる体のこと。太っていても、じろじろ見られても、気にしないレベッカさんのこと。がりがりにやせたアントワーヌさんのこと……。

現役医師でもあるフランスの作家による、他者にも自分にも優しくなれるメッセージが込められた素敵な物語。じいじは女の子に伝えます。「誰もが生まれてからの“体の物語”を持っている」ということを。

わかっていても、自分のこと、自分の体のことを好きになれない子だっているかもしれない。誰かと体の話をするのは難しいと感じる人も多いでしょう。ついついまわりの目だって気になってしまう。

「自分らしく生きることにこだわらなくてもいい。だれに何と言われても、自分の人生の主人公は自分だということを忘れないで」

作者からの優しく力強いメッセージが心にしみ入ります。
 

「だっこ(Hug)」は最高のコミュニケーション&気持ちを伝える特効薬。さあみんなで『なんでもいいからだっこして!』

なんでもいいからだっこして!作:きただ てつや / 絵本館

なんでもいいからだっこして!

作:きただ てつや
出版社: 絵本館

みどころ
寂しいとき、悲しいとき、怒っているとき、退屈なとき、嬉しいとき、楽しいとき、幸せなとき、
自分の気持ちを静めたいとき、誰かに自分の気持ちを伝えたいとき、
言葉はいらないのかもしれません。
だって、「だっこ(Hug)」にかなう特効薬なんてないんですから!

「なんでもいいから だっこして。」
(For any reason, give me a hug.)
「いそがしいのも、しってるし たいへんなのも、わかってるけど。」
(I know you are busy, and you have lots to do)
「いまはただ、おもいっきり だっこして。」
(All I want right now is a great big hug.)
「もうだいじょうぶ!ってわかるまで このままずーっと だっこして。」
(Until you know I am fine, keep hugging me.)

絵本の中では、女の子や赤ちゃん、そして動物たちがだっこします。
大人が言うとちょっと気恥ずかしく思える言葉もきただてつやさんが描けば、スタイリッシュでユーモアがあって思わず笑みがこぼれます。それでいて絵本のメッセージはストレート。不思議なことに受け止める側ももう言葉なんて面倒だ!「なんでもいいから だっこしちゃおう!」そして「なんでもいいからだっこして!」と、素直な気持ちにしてくれます。「言葉」より「だっこ」がどれだけ即効性があって、どれだけ温かくて、素晴らしいものか教えてくれるのです。読み終わったら、早速試してみたくなります。子どもからではなく、パパママから言ってもいいかもしれません(笑)。もちろん恋人どうし、子どもどうし、お友だちどうし、おばあちゃんとお孫さんと、どんな組み合わせでも有効なはず。

しかもこの絵本、バイリンガル絵本なのです。
日本語で言うのが恥ずかしかったら、英語でためしてみましょうよ。
きっと言われた人も(Sure! Why not!)ってすんなりと「だっこ」してくれるかも。

(So, for any reason, just give me a hug,please! Please!!)

発表から90年以上にわたり日本人の心をうつ『雨ニモマケズ』を柚木沙弥郎の絵で味わう静かで贅沢なひとときを

宮沢賢治の絵本 雨ニモマケズ作:宮沢 賢治 絵:柚木 沙弥郎 / 三起商行(ミキハウス)

宮沢賢治の絵本 雨ニモマケズ

作:宮沢 賢治
絵:柚木 沙弥郎
出版社: 三起商行(ミキハウス)

出版社からの内容紹介
賢治がのこした一冊の手帖。
そのなかにあった言葉が、
多くの人々の心をゆさぶりつづけている。
闘病生活のさなかに賢治が書きとめられたその言葉は、
作品として書かれたものではなく、
賢治の「祈り」そのものだった・・・・・・。

※巻末に賢治の弟、清六の孫、宮沢和樹氏のエッセイ、
「雨ニモマケズ」手帖の画像を掲載。

何をやってもうまくいかないときって…あるよね。そんな時に心の支えになるのはやっぱり…。ウサギとクマの関係にほっこりする『パイをやいたウサギ ばっちりだぜ!』

パイをやいたウサギ ばっちりだぜ!作:ジョリ・ジョン 絵:エリン・クラーン 訳:鈴木 沙織 / 化学同人

パイをやいたウサギ ばっちりだぜ!

作:ジョリ・ジョン
絵:エリン・クラーン
訳:鈴木 沙織
出版社: 化学同人

出版社からの内容紹介
せっかく焼いたパイがまさかのだいしっパイ! ピクニックのおべんとう、どうしよう?

クマのジェフと、ウサギのアンダース。おべんとうをもって、ピクニックに出かけます。なのに、アンダースのようすがヘン。「ばっちりだぜ!」って言ってるけれど、なにかをかくしているような? 「どうしたんだろう? たしかめたほうがよさそうだよね」 荷物はおもくない? 暑くない? 花粉症はつらくない? ジェフはあれこれ聞いてみますが…
実はアンダースは、おべんとうにもっていくパイを落っことしてあせっていたのです。ジェフをよろこばせたいのに、がっかりさせちゃう。
…さて、そろそろおなかがすいてきた。たのしいピクニックはどうなるのでしょうか?
いいともだちは、うれしいことも、つらいことも分けあえる。うまくいかないときだって、いつもそばにいてくれる。そんなやさしいメッセージが伝わるお話です。

大人気、重版出来『パンツをはいたクマ もやもやする!』待望の続編です!

関連書籍

パンツをはいたクマ もやもやする!作:ジョリ・ジョン 絵:エリン・クラーン 訳:鈴木 沙織 / 化学同人

パンツをはいたクマ もやもやする!

作:ジョリ・ジョン
絵:エリン・クラーン
訳:鈴木 沙織
化学同人

モノトーンと赤の対比の美しさが胸に迫る韓国発の絵本。おいてけぼりの男の子の心情にそっと寄り添ってくれる『かたつむり』

かたつむり作・絵:キム・ミヌ 訳:わたなべなおこ / あすなろ書房

かたつむり

作・絵:キム・ミヌ
訳:わたなべなおこ
出版社: あすなろ書房

みどころ
「ついてくるな」
ペダルの無い幼児用自転車を必死に動かして、一生懸命お兄ちゃんの自転車に追いつこうとする弟。でも同じスピードで走れるはずもなく、男の子は石につまづいて土手を転がり落ちてしまいます。「みんなだいきらいだ!」と嫌な気持ちでいっぱいになった男の子が見つけたのは、ゆっくりと木に登って行くかたつむりでした。

シンプルなモノクロの線で形作られた空と大地の中で、まるで浮かび上がるように描かれた、赤い男の子の自転車用ヘルメットとカタツムリの殻。ぼくとカタツムリーー進むスピードも見える景色も違うかたつむりに導かれたぼくは、はっとする光景を目にして……。

シンプルで繊細、そして新鮮な構図や色遣いやぐっと引き込まれる作品を作ったのは、韓国の絵本作家キム・ミヌさん。2022年3月に、児童文学界のノーベル賞と呼ばれている「アンデルセン賞」を受賞しており、この作品がデビュー作です。韓国ではさらに2冊の絵本を発表していて、その繊細な筆致で、今後の活躍が注目されている作家のひとりです。

子どもも大人も大好き! コジコジとちびまる子ちゃんがほっこりする絵本になって登場。『「 絵本まるコジ 」 全4巻セット(化粧ケースつき)』はギフトにもピッタリ

「絵本まるコジ」全4巻セット(化粧ケースつき)著:さくら ももこ / 集英社

「絵本まるコジ」全4巻セット(化粧ケースつき)

著:さくら ももこ
出版社: 集英社

出版社からの内容紹介
『絵本まるコジ』全4巻セットが発売!

●まんがともアニメともひと味ちがう、ちびまる子ちゃんとコジコジのほんわかストーリーが、子どももおとなも楽しめる絵本になりました。
コジコジとちびまる子ちゃんが、いろいろなところへおでかけしたり、ぼうけんに行ったりする、楽しいおはなしが満載。
さくらももこによる美しい絵と物語の『絵本まるコジ』です。1巻から4巻まで発売中。

●そんな『絵本まるコジ』が、かわいいケースつきの全4巻セットになりました! 

ケースの内側には、さくらももこが描いた当時のネーム(ラフスケッチ画)が印刷されています。ここでしか見られない、未公開のイラストも。
おへやをかざるインテリアとしてもぴったり。
また、大切なかたへの贈りものにも、おすすめです。

【本書の特長】
○『絵本まるコジ』は、まんがを読めるようになる前の小さな子どもへ向けて、さくらももこが描いた絵物語からできた絵本です。
○お子さんが読めるように、すべてよみがな付き。
○人気キャラクターのちびまる子ちゃんとコジコジの織りなす、ほっこりするお話が1冊につき6話入っています。
○「まるコジまめちしき」で、お話にからんだ季節の風物や行事のまめちしきが学べます。
○上製本だから丈夫。読み聞かせにもぴったりのサイズ。
○全巻セットは、4冊がきれいに入るかわいいケースつき。ギフトにもぴったり。

*『絵本まるコジ』は、過去に「ももこのファンタジック・ワールド コジコジ」『まる子とコジコジ』として刊行されていたものを、あらたにまとめた絵本です。

コニカミノルタプラネタリウムの大人気作品が絵本になって登場! 不思議な猫と過ごす、特別な一夜とは?『猫星夜ーある日の星空のおはなしー』

猫星夜ーある日の星空のおはなしー絵:にしざか ひろみ 原作:コニカミノルタプラネタリウム / 金の星社

猫星夜ーある日の星空のおはなしー

絵:にしざか ひろみ
原作:コニカミノルタプラネタリウム
出版社: 金の星社

出版社からの内容紹介
大人気のプラネタリウム作品が美しい絵本に! ある日出会った猫と過ごす、特別で不思議な一夜。天の川や流れ星を眺め、星空をキャンバスに自由に好きなものを想像します。忘れかけていた大切な気持ちが見つかるかも。

 
本記事は「絵本ナビ」から転載しております

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