顔だけケアするのは非効率!? 見た目年齢が10歳変わるエクササイズとは? ビューティ・ライフスタイルデザイナーの藤原美智子さんが教える『何歳からでも輝ける秘訣』【書評】

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更新日:2025/6/5

何歳からでも輝ける秘訣
何歳からでも輝ける秘訣藤原美智子/主婦の友社

 今年67歳、「40代のときよりはるかに健康で、そして幸せを感じています」と話すのは、ビューティ・ライフスタイルデザイナーの藤原美智子さん。ヘア&メイクアップアーティストとして雑誌やテレビで華々しく活躍してきた藤原さんでしたが、もともとの体の硬さと、人にメイクをするときに不自然な姿勢を取り続けたことで40代になって体だけでなく心までもが悲鳴を上げたといいます。

「40歳前後の私の体は人生最悪の硬さとゆがみとなり、それによって顔もゆがみ始
め、肌は極度に乾燥し、精神的にもつらさを感じるようになりました」(藤原さん)

 これをきっかけに、少しでも体と心を楽にしようと始めたストレッチなどの運動方法のほか、大人のヘア&メイクやファッションの「結論」、体にいい食事、そして夫婦の在り方についての考え方など、藤原さん自身が模索し続けてたどり着いた幸福な年齢の重ね方をまとめたのが『何歳からでも輝ける秘訣』(藤原美智子/主婦の友社)です。

体を改善することで、心も上向きに

 本書で最初に触れられているのは、「やわらかい体」の大切さ。40代でボロボロになった時、マッサージに通って体をゆるめたことで気持ちも軽くなり、体と心が連動していると気づいたという藤原さんは、もう20年以上もストレッチを続けているそう。

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 今ではY字バランスや開脚もお手のもの。体が柔らかくなるにつれて血流が良くなり、肌の調子も改善されていったとか。「顔だけを一生懸命ケアしても効率的ではなく、体全体から顔をとらえなければ意味がない。「顔は顔だけにあらず」と考えるようになりました」と藤原さん。

 運動はランニングやピラティスなどを経て、現在はバレエに集中。音楽に合わせて踊ることを楽しみながら、週6でストレッチも欠かしません。バレエの基礎にも通じる「ドローイング」は、お勧めのエクササイズの一つ。

 ドローイングで「鼠径部」を鍛えることで、加齢によって下がりがちな内臓の位置を戻す効果があり、姿勢が改善され、おなかまわりもスッキリ。見た目年齢も10歳若返るといいます。

「どんな人でも年齢を重ねれば『体は変わっていく』。でもその一方で、私たちは『体を変える』こともできるのです」(藤原さん)

流行は年齢ごとに取り入れる比率を変える

 プロのヘア&メイクアップアーティストとして一線で活躍する中で、「年齢を重ねるたびにメイクの流行と定番の比率を変える」という持論を大切にするようになったという藤原さん。本書では、「若作り感」を出さず、無理のない自分らしさをつくるハウツーを惜しみなく披露しています。

 プロが解説する「基本の眉の描き方」は特に必見。アイシャドウやチークなどの色物も、「更新していくからこそ、“今”の魅力は保たれる」という考え方のもと、扱い方を丁寧に教えてくれています。

 この年齢ごとにチューニングしてバージョンアップさせていく考え方は、ファッションにも通じているよう。

 大人になるほど、色を味方につけるとパッと明るい印象に。スタイルも肌の明るさも若い時とは違うものの、楽しみ方は自分次第なのです。

「面倒に感じる人もいるかもしれませんが、『大人のファッションは、頭を使わなければいけないからこそ楽しい』というような考え方にシフトすればいいだけのこと。これはファッションだけでなく、人生のどこかの段階で、このような考え方にシフトできると、年齢に寄り添った生き方ができると感じています」(藤原さん)

「若い頃はあのメイクや服が似合ったのに」「年のせいか落ち込んでばかり」なんて、気持ちが後ろ向きになっている人にこそ必要な一冊。無理なく等身大の自分に合わせて考え方をアップデートし、「今」の自分を輝かせていける、そんな柔軟な姿勢を持つヒントがたくさんちりばめられていますよ。

文=三浦小枝

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