簡単絶品レシピから愛用食器まで。食いしん坊の作者が「おいしい」をとことん追求した人気のグルメコミックエッセイ第3弾!【書評】
公開日:2025/6/12

『しょうゆさしの食いしん本おかわり』(スケラッコ/竹書房)は、食べることが大好きな人にはたまらないグルメコミックエッセイ。シリーズ3作目となる本書も、前作と同様に作りたくなる、食べたくなる料理がたくさん掲載されている。そして目次を見て気になった料理のページから読んでも問題ない構成なので、前作を読んでいなくても楽しめる作品だ。
筋金入りの食いしん坊である著者のスケラッコ氏が紹介するレシピはどれも、凝りすぎず、試してみたくなるひと手間を加えた絶妙なラインのものばかり。だから少し手間がかかっても頑張ってみようと思わせてくれる料理が次々と登場する。
春の菜の花とホタルイカの混ぜごはんや、初夏のブロッコリーを主役にした一皿など、季節ごとに旬の食材を使うレシピから、ビリヤニやマカロニサラダ、酢豚といったものまで、その時々でスケラッコ氏が食べたいと思ったものを作り上げていく。
栄養や調理のコツ、ちょっとしたアレンジ方法まで描かれているので実用性も非常に高く、料理初心者でも「これなら自分でもできそう」と感じられるはずだ。特にありがたいと思ったのは、食材の選び方や下処理の仕方など、「基本のキ」も丁寧に解説している点。イラスト付きでとてもわかりやすく、普段料理をする人は目からウロコの情報が得られるかもしれない。
そんなレシピ紹介だけでなく、旅先のグルメやお取り寄せグルメ情報、スケラッコ氏が使う食器やキッチン道具の紹介なども掲載されていて、「食べる喜び」を総合的にとことん掘り下げられているのも本書の特徴だ。
ゆるくて温かみのあるキャラクターたちが繰り広げるやりとりに心がほっこりしつつ、読後は必ず食材を買いに行きたくなる、食いしん坊さんはチェックしたい一冊だ。
文=ネゴト / fumi