GENICの増子敦貴、ロンドンで見つけた新境地とは?「自分なんてまだまだ。もっと挑戦できるじゃんって」3rd写真集が重版出来!【インタビュー】

文芸・カルチャー

公開日:2025/6/17

 舞台『千と千尋の神隠し』では儚くミステリアスなハク役を演じ、GENICのライブではエネルギッシュにパフォーマンス。かと思えば、ファッション誌ではどんな服も見事に着こなし、圧倒的な美しさを見せつける。

 そんな増子敦貴の今のすべてを詰めこんだ3rd写真集『Liberty』(KADOKAWA)が重版出来だ。ロンドンでは王子様風の衣装やストリートなファッションに身を包み、時にはエレガントで妖艶な表情も…。日本の原風景の中で見せるリラックスした表情や肉体美でも、ファンの心を掴んで離さない。

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『Liberty』というタイトルは自身が選んだワードだという。この写真集に込めた想いや撮影エピソードを本人に聞いた。

人生でいちばん濃厚な2ヶ月を過ごしたロンドン

——舞台『千と千尋の神隠し』のロンドン公演で渡英したときの写真がふんだんに使われています。写真集の仕上がりを見ていかがでしたか?

増子敦貴さん(以下、増子):ロンドンでの2ヶ月は僕にとって夢のような時間でした。今思い出しても“あれは幻だったんじゃないか”と思うくらい。人生でいちばん濃厚な時間だったから、それが写真に残っていることがまず嬉しいし、見ているといろんな思い出がよみがえってきます。

——どんな思い出がよみがえってきましたか?

増子:夕方を過ぎるとパブに人が集まってきて、仲間同士でも仲間同士じゃなくても、みんな楽しそうに話していたのをよく思い出します。僕も話しかけられました。舞台のカンパニーとして行っていたから「千と千尋やってるの?」ってお酒を片手に寄ってきてくれて。日本ではあまりない文化なので、いい意味で刺激的でした。ただ、英語はできないから「日本人かい?」って聞かれたのに「OK」と答えちゃって。「OK(笑)」って返されましたけど…。

——(笑)。刺激的な毎日だったのでしょうね。

増子:僕にとっては異世界のようでした。街の雰囲気も、200年前の建物が普通に残っているし、歴史のある街並みが新鮮で。

——写真集にも歴史を感じる風景がたくさんありました。特に印象に残った場所というと?

増子:いろいろありますね。白い衣装を着て撮影をした大きな公園は、東京ドーム何個分だろう…って思うような広さで。緑が多いから空気も新鮮だったし、抜け感が写真からも伝わってくるというか。

『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より
『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より

 途中で出てくるスーパーマーケットは、僕が通っていた店です。ご飯を買いに行ったり、店員さんとコミュニケーションを取ったりして。まさに、ロンドンで2ヶ月暮らした記憶が刻まれた写真。店員さんがよく「Have a nice day(良い一日を)」と言ってくれて、そのたびにハッピーな気持ちになっていましたね。

『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より
『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より

——普段着っぽいカジュアルな増子さんが見られるページですね。ご飯はどんなものを食べていたんですか?

増子:スーパーで買うこともありましたけど、お店で食べるときはだいたいステーキ。あとはチャイナタウン。ロンドンなのに中華? って思うかもしれないけど、ロンドンのチャイナタウンはほんとに美味しいんですよ。地元の人たちに美味しい店を聞いても、チャイナタウンって答えるくらい。

——カフェの写真も素敵でした。そこにいる人たちの姿もそのまま写っていて。

増子:お客さんたちが一緒に写っているだけでも海外らしさが伝わるって、すごくないですか? このカフェは、古い木材が使われたような内装がノスタルジックで、ヴィンテージ感もあって、ザ・海外っていう雰囲気がたまらなかったです。クールな表情もあるけど、内面ワクワクしているのがにじみ出ている感じ。カフェには滞在中たくさん行きました。休演日に共演者の人たちとも行きましたし。

——すごくおしゃれなカフェですよね。ピアノを弾きながら笑っている写真もありますが…。

増子:シックな衣装を着てピアノが弾けそうな雰囲気なのに、じつは「咲いた〜咲いた〜」と弾いていて、自分で吹き出しているっていう写真です。

『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より
『増子敦貴3rd写真集 Liberty』より

——ギャップが(笑)。そんな格式高い街並みもありつつ、ロンドンならではのストリートっぽい場所もありましたね。

増子:自由にアートを描いている地下通路のようなところに、イタズラではなく本気で描いたようなアートがズラッと並んでいて。自由と芸術が詰まった場所でしたね。バンクシーの絵もあって、その一帯だけ空気が違うというか、独特のオーラを感じました。

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