妻が目撃したモラハラ夫の浮気現場。徹底的な制裁で、養育費も慰謝料もきっちり請求します!【書評】
公開日:2025/8/9

不倫や浮気、略奪愛。自分が実際に巻き込まれるのは勘弁してほしいが、漫画やドラマでは気になってしまうという人も多いはず。“人の不幸は蜜の味”というが、スキャンダラスな不倫劇はいつの時代も人気だ。
さらに、そういった泥沼劇の先にある勧善懲悪やスカッと感を求める人にオススメなのが、『やっと離婚できる でもお前たちは幸せにはさせません』(もっち:原作、辻ともすけ:漫画/KADOKAWA)だ。
結婚し専業主婦の道を選んだものの、娘の出産・育児を経て次第にモラハラ化していく夫に悩まされる本作の主人公・由衣。ある日の娘の一言からようやく離婚を決意した彼女の背を押すように、パート帰りの由衣は偶然にも街で女性と浮気する夫の姿を目撃してしまう。
元々気持ちが離れかけていたのもあってか、由衣はショックを受けた一方で、咄嗟の判断でふたりの写真を撮ることに成功。どうやら相手は以前その関係を怪しんだ、夫と同じ会社に勤める女性部下のようだ。女手ひとつで娘を育てる決意を新たにした由衣は、ふたりからきっちり慰謝料を取るべく水面下でいろんな作戦を画策し始めるのである。
いわゆる不倫漫画の醍醐味のひとつである、浮気した夫・妻への華麗なる制裁。信頼を裏切り、人を傷つける人間に天罰が下るさまは読んでいて「スッキリした!」と思う人も多い中、夫である優斗が浮気のみならずモラハラで自分勝手な性格を持つ点も、読後の爽快感をより増幅させるポイントのひとつだろう。
また当初由衣の一番の目的は、離婚後に娘と自分が安定した生活を送るための養育費&慰謝料の請求だった。しかしさまざまなトラブルの中で夫に対する怒りが頂点に達した彼女は、金銭面のみならず彼を徹底的に制裁することを心に誓うようになる。
離婚までの道のりの途中で、夫婦の間に一体どのような事件が巻き起こるのか。そして最後に由衣と優斗、それぞれが辿る結末とは。モヤモヤ不倫の先にあるスッキリ展開を求める人に、ぜひオススメしたい。