「親の世話は子どもがするべき」という外からの圧力。毒親介護の過酷な現実【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/27

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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

 小さい頃から自分を罵倒し暴力を振るってきた父が、がんで余命1年と宣告された。一人娘・ヒトミはなるべく父と関わらずにいられるように介護サービスを検討、実行に移す。しかし父は他者の介入を拒絶。頼れる親族もいないヒトミに全ての負担がのしかかる。相変わらず心無い言葉を浴びせる父。育児と仕事にも影響が出るほどの物理的負担。やがてヒトミには“介護うつ”の症状が出始めて……。

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 毒親、介護、ふたつの要素が絡み合う『余命300日の毒親』(枇杷かな子:著、太田差惠子:監修・解説/KADOKAWA)。自身も親の介護中に描いたという著者の枇杷かな子さん。ご自身も“介護うつ”になったという枇杷さんの介護の経験、多忙な中でも本作を通して伝えたかったことを聞きました。

――本作には父の妹であるすみ代が登場します。すみ代は善意から……という態度でヒトミに自分の「親の世話は子どもがするべき」という価値観を押し付けているようにも見えるキャラクターですが、モデルにした人や参考にしたものはありますか?

枇杷かな子(以下、枇杷):モデルはいないのですが、ネットなどで親戚に苦しめられている人の言葉を聞いて生み出したりしたキャラクターです。「毒親戚」というのは毒親から派生した言葉だと思うのですが、過干渉だったり、批判的、支配的な態度や行動をする親戚のことで。介護や妊娠出産について、親戚から言われた一言で傷ついた、というお話はよく聞く気がします。

――確かに親戚から「結婚はまだか」と言われる話などよく耳にしますね。枇杷さんは親以外から心無い言葉を浴びせられたりしたのでしょうか?

枇杷:親戚ではありませんが言われましたね。一番記憶に残っているのが介護ですごく悩んでいる時に「やっぱり親だから、今まで過去にいろいろあったとしても大事にしたいよね」と言われて。すごく優しい言葉でもあったし、本人も悪気はなかったのだと思いますが、その時本当に精神的に限界だったので、心の中で「もうやめて!」と叫びながら話を聞いていました。

文・取材=原智香

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