嫌な出来事があって頭から離れないとき。何かを2分間じっと見つめてみると…/くよくよしたら手を洗おう。④
公開日:2025/7/26
仕事や人間関係などのちょっとした失敗に落ち込んでしまい、なかなか気分がスッキリしないことがありませんか?
簡単なアクションでパッと気分転換できれば、くよくよしても大丈夫。『くよくよしたら手を洗おう。』では、心理学者・内藤誼人氏が世界最新の心理学研究のエビデンスとともに、簡単な気持ちの切り替え方を指導してくれます。
「石けんで手を洗う」「財布にお札をパンパンに入れる」などすぐできることや、1日の終わりや週末にできるアクション、意識改革術などを紹介。「くよくよするな」と言われても、気がついたらくよくよしちゃうネガティブ体質の人必見! 簡単にできて心が軽くなるライフハック術をお届けします。
※本記事は書籍『くよくよしたら手を洗おう。』(内藤誼人/主婦の友社)から一部抜粋・編集しました。

(内藤誼人/主婦の友社)
Trick13 何かをじっと2分間見つめると、悩みがスーッと消えていく

「今日の商談、うまくいかなかったな……」
「さっきの部長の態度はいくらなんでもひどすぎる……」
不愉快なできごとは、終わったあとも心のなかで残り続け、なかなか離れてくれません。忘れようと思っても、頭のなかをぐるぐる回って私たちを悩ませます。
そんなときにおすすめなのが、「一点凝視」というシンプルなテクニックです。
ベンジャミン・ベアードは、当時在籍していた米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校で、「無意識の思考」をテーマに実験を行いました。79名の大学生を2つのグループに分け、両方に「過去の恋愛は思い出さないように。 少しでも考えてしまったらボタンを押して」と指示。さらに片方のグループには、「画面の一点を見つめ続ける」ように伝えました。すると、一点を凝視したグループは、ボタンを押す回数が約半分に。つまり、無意識の思考にとらわれにくくなったのです。
この実験から、「考えまい」と意識すると逆効果になりがちで、視線などで意識を向ける「対象」があることで、余計な思考から距離をとれることがわかります。
凝視するのはペンの先や時計の針など、手近なもので十分。とにかく2分間、目を離さないことが肝心です。余計な思考がすっと消え、気分もスッキリしてきますよ。
<第5回に続く>