いいことばかり起こる人の秘密。どんな些細なことに対しても思っているクセとは?/くよくよしたら手を洗おう。⑤
公開日:2025/7/27
仕事や人間関係などのちょっとした失敗に落ち込んでしまい、なかなか気分がスッキリしないことがありませんか?
簡単なアクションでパッと気分転換できれば、くよくよしても大丈夫。『くよくよしたら手を洗おう。』では、心理学者・内藤誼人氏が世界最新の心理学研究のエビデンスとともに、簡単な気持ちの切り替え方を指導してくれます。
「石けんで手を洗う」「財布にお札をパンパンに入れる」などすぐできることや、1日の終わりや週末にできるアクション、意識改革術などを紹介。「くよくよするな」と言われても、気がついたらくよくよしちゃうネガティブ体質の人必見! 簡単にできて心が軽くなるライフハック術をお届けします。
※本記事は書籍『くよくよしたら手を洗おう。』(内藤誼人/主婦の友社)から一部抜粋・編集しました。

(内藤誼人/主婦の友社)
Trick49 なぜかいいことばかり起こる人は、「自分はツイている」と思っている人

幸福度を左右するのは、実際に恵まれているかどうかよりも、その人自身が「幸せ」と感じられるかどうか。人からすれば取るに足らないようなことでも、いちいち「ラッキー!」「私ってやっぱりツイてる!」「今日も幸せだなぁ」と思える人ほど、満ち足りた気持ちで日々を過ごせます。
米国ミズーリ大学で主観的幸福感を専門に研究するケノン・シェルドンは、481名の大学生対象に、6週間ごとに3回の調査を行って人生の満足度やポジティブな感情の度合いを測定しました。「前回からの6週間で、自分の人生を変えるようなポジティブな変化がありましたか?」という質問に対して、「あった」と答えた人ほど、精神的にも安定し、幸福度が高い傾向がありました。
大学生が答えたポジティブなできごとは、たとえば「新しい友人ができた」「ヘアスタイルや服装を変えた」「棚ぼた式に遺産を相続した」など、多岐にわたりました。確かに大金が転がり込めば、多くの人がラッキーなできごとと感じるでしょう。けれど、ヘアスタイルの変化は、ほかの人には取るに足らないことかもしれません。
幸福度を高めるには、「客観的に見てどうか」という視点は必要ありません。他人にとってはつまらないことでも、自分が幸せだと思えればいいのです。
茶柱が立った、電車で座れた、ランチの限定定食が食べられた。小さなことでも「ラッキー」「幸せ」と思えれば、幸福感はどんどん高まります。
長嶋茂雄さんは、現役時代に、きれいにヒゲがそれただけで、すごく幸せな気分になれたそうです。こういう考え方ができる人は、人生の感じ方もハッピーになるでしょう。小さなことでも喜べる人は、大きなことならもっと喜べます。結果的に幸せと感じる総量が増えていくであろうことが、心理学的にも予想できるわけです。
また、一般的にはネガティブに捉えられがちなことも、視点を変えれば、ラッキーなイベントに早変わりします。たとえば、「雨の日はお気に入りの傘をさせるスペシャルデイ」「電車遅延の日は、堂々と遅刻できちゃうラッキーデイ」と考えれば、ちょっと楽しい体験に変わるでしょう。
つまり「このくらいですんでラッキー」「これもきっといいことの前ぶれ」とポジティブに受け取る癖をつけるだけで、日々の幸福感はぐっと底上げできるのです。
大きな成功や特別なできごとを待つより、小さな「うれしい」をひとつひとつ拾い集めていく。そんな生き方が、結果的に「なぜかいいことばかり起こる人」になる近道なのかもしれません。
<第6回に続く>