男の子の視線の先にあるものは?人気イラストレーター・中山信一の初絵本『じーっ』が生まれたきっかけ【インタビュー】
公開日:2025/8/9

「じーっ」となにかを見つめている男の子。視線の先にはなにがあるのでしょう? 主人公の男の子とその子が見ている世界を、交互にたどっていく絵本『じーっ』。「じーっ」と目をこらせば、いつもの風景にも、小さなおどろきや、きらっと光る瞬間がかくれているかも? 著者の中山さんにこの絵本についてお話しを伺いました!
——中山さんはじめての、作絵の絵本ですね。完成してみていかがですか?
はじめての作絵ということもあり、とても感慨深いです。絵だけでなく、言葉やストーリー、構成も自分の中からすべて生まれたものなので、なんだか自分の分身を作ったような気持ちですね。
——お子さんがじーっとなにかをみつめている姿をみて、この絵本の企画のアイデアが生まれたと伺いました。そのエピソードについてぜひおしえてください!
よく子どもと近くの公園へ遊びに行くのですが、ちょうどその日は子どもの通う学校の友だちたちとばったり会って、子どもたちみんなでしゃがんでアリの巣を夢中で観察していました。その姿がなんとも愛らしく、また自分も小さい頃に同じようなことをしていたなぁと感じて、絵にするきっかけになりました。


——子どもと過ごしていると、まさにこの絵本のように「じーっ」と、ひとところをみつめながらおなじところにとどまる時間というのがよくあって、とても共感しながら読みました。「じーっ」の先が意外なもの、という場面があるのもおもしろいですよね。中山さんの子どもの頃の体験も入っていますか?
もちろん実体験がかなり入っています。子供の頃は、雨粒や光の陰影、水面のゆらぎなど、なにかつかみどころのないような、ずっと見ていられる綺麗な景色が好きでしたね。とくに窓の外を眺めるのが好きで、大人になった今でも、ついボーッと窓の外を眺めてしまいます。

じーっ
作:中山 信一
出版社: 偕成社
出版社からの内容紹介
学校の廊下の窓にほっぺたをくっつけて、外を「じーっ」と見つめている男の子。いったいなにを見ているのでしょう? ページをめくると、視線の先では、飛行機が雲を描きながら、青空をまっすぐに飛んでいました。
この絵本では、主人公の男の子とその子が見ている世界を、交互にたどっていきます。「じーっ」と目をこらせば、いつもの風景にも、小さなおどろきや、きらっと光る瞬間がかくれていることに気づきます。
著者は、広告や装画で注目をあつめる人気イラストレーター、中山信一。
ささやかだけれど記憶にのこる、日常のピースフルなきらめきを、あたたかなタッチでとらえた一冊です。