美のプロが絶賛する 「ネロリハーブ」とは? 菅原あゆみさんの植物療法で自律神経をととのえ、体の内側からキレイになる【著者インタビュー&体験記】

暮らし

公開日:2025/8/19

 なんとなく体の調子が良くない、気持ちが落ち着かない…という人は、植物療法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 女優やモデル、多くの美容家が足繁く通っていることで話題の「NeRoLi herb(ネロリハーブ)」。主宰の菅原あゆみさんは、「大切な人や、家族のための植物療法」をコンセプトに、産地や製法などを厳選した本物の植物の力を広めています。自宅で作れる植物を使った“キッチンコスメ”をはじめとするレシピを紹介している書籍『植物の力でキレイになる ネロリハーブ』(主婦の友社)を刊行したばかり。

 本稿では、体調をととのえて“人生のクオリティを上げる”植物の力について、菅原さんに話を聞きました。表参道のカフェ「NeRoLi herb」で受けたカウンセリングの体験記もご紹介します。

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「ネロリハーブ」は植物の力を広めるための場

 『植物の力でキレイになる ネロリハーブ』(主婦の友社)より
『植物の力でキレイになる ネロリハーブ』(主婦の友社)より

――ネロリハーブでは、カフェやカウンセリング、オンライン販売などで、幅広く植物の力を発信していますね。

菅原あゆみさん(以下、菅原):植物療法ってハーブティーを飲むだけじゃなくて、嗅いだり、肌につけたり、生活全般に活かされるもの。野菜やフルーツを食べることもその一つです。ハーブティーやチンキはお店でも購入できますが、カウンセリング(現在は完全紹介制)ではその人の状態を見てオリジナルブレンドを調合しています。先ずは第一歩として、植物を生活に取り入れるため、気軽に入れるカフェを併設しました。どれも植物の力を広めるためのものです。

――英国式植物療法、漢方、和漢、アーユルヴェーダなどを基本にしたネロリハーブのオリジナルメソッドとは、どういうものですか?

菅原:ハーブや漢方は、採れる場所や使い方が違うだけで、基本的にはすべて同じ。薬効が確認されている植物すべてをハーブスと言っています。ただ、ハーブや漢方というと、価格が高くて飲みにくいイメージを持っている方が多いんです。だから、フルーツと一緒にブレンドした「デザートフラワーブレンド」を作り、カフェでも飲めます。身体に良いだけではなく、美味しいハーブティーなら日々に取り入れやすいので。

――カフェで試しに飲んで、気に入ったらその場で買えるのが嬉しいですね。病気になる前の段階で心身を植物療法でケアする重要性が書籍に書かれていました。“植物の力”はどんな人に必要ですか?

菅原:すべての人に必要だと思っています。日本ではあまり知られていませんが、イギリスやドイツなどでは、植物療法が医療の一環です。たとえば、不調やちょっとした頭痛、冷えなど、病院に行ったり、薬を飲むほどではないときってありますよね。見て見ぬふりをして、健康診断で問題が出てからでは遅いんです。今の身体の状態を見て、体調をととのえるための補助になるのが植物の力。体の不調って、「当たり前」ではないんです。

――生理痛や冷えなども現代では普通と思われがちですが、本来このような不調は当たり前じゃないのですね…。そういう体質だと思っていました。

菅原:遺伝的なものはありますが、その人の体質は毎日の生活がつくりますから。毎日朝起きたらワクワクして、すっきりした毎日を過ごすことが当たり前であってほしい。何を口にして、どんな生活をするのかによって心身は確実に変わっていきます。

植物が土から養分をとって育つように、人間も土から育ったものを取り入れています。土からエネルギーをもらって生き、最後は土に還りますよね。昔は植物を育て、そこから栄養をとるだけではなく、どこかが痛くなったら植物を使うなど、植物から多くを学んで取り入れてきました。今の社会では、気をつけていても余計なものや情報が多すぎて、どうしても乱れやすい。だから引き算をするためにも植物がサポート出来ます。

植物を取り入れたら、みんなちょっとずつ元気になる

 『植物の力でキレイになる ネロリハーブ』(主婦の友社)より
『植物の力でキレイになる ネロリハーブ』(主婦の友社)より

――本書には、美容に使えるクリーム、免疫力を上げる料理レシピ、目覚めや眠りをよくするミストなど、植物を使ったさまざまなレシピが紹介されています。使い方のコツはありますか?

菅原:植物療法は、1つのハーブがどう使われるかというより、いきいきと生きるのをサポートする方法だと私は考えています。ただハーブティーを飲んでいれば、よく眠れなくてもいいわけではなく、睡眠や食事などの生活の基本をととのえた上で、植物を補助的に使っていただきたいです。

――最近は自律神経が乱れ、疲れが抜けにくかったり、不眠になったりする人が増えています。自律神経をととのえるようなハーブもあるのでしょうか。

菅原:たくさんありますが、まずは睡眠をおろそかにしないことです。よく眠れないのなら、カモミールティーやラベンダーティーなど、副交感神経が優位になるような植物を体に入れたり、香りを嗅いだりするといいですよ。眠りの質が上がるだけでも自律神経はととのっていきます。それから、冷えを取ること。本の中ではおすすめの「ひえとりパッド」も紹介しています。「快眠」「冷え取り」「腸内環境をととのえる」の3つは基本ですね。

――本書には約60種のレシピがあり、本にしか書いていないこともあります。ここまで贅沢にレシピを公開した理由とは?

菅原:ひとりでも多くの人に植物療法を取り入れてほしいからです。未病という不調をみんなが見ないふりをして頑張っている。でも、それだと個々の本来の力が出しきれないのではないでしょうか。よく「冷たい人」などと言いますが、自分自身に冷たくしている人が今は多いと感じています。自分の体にこそ温かく接してあげてほしい。生活って「生かされて活きる」と書きますよね。生活って、苦しむのではなく、いきいき生きること。そのために植物は必要です。いろんな種類の中から今の自分に合わせてハーブをセレクトできるようになれば、植物療法が自分のスキルとなって身体をケアできます。

――体に負担をかけることなくハーブでケアできたら心強いですね。遠方などでお店に行けなくてもハーブティーなどを自分で作れるお得な1冊だと思います。

菅原:スキンケアなどの商品は完全無添加なので、カウンセリングを受けている人しか買えませんが、この本には自分で作れるものがたくさん載っています。「植物を取り入れたら、みんなちょっとずつ元気になるよ」という本を目指しました。今の世の中って発展しているけど何かが欠けている。それは原点に帰ることじゃないかと思うんです。ハーブをおしゃれだと思って取り入れる人は多いけど、それだけではなく、身のまわりにあるものを活用することが大事だと思うんですよね。足りないものを探したら不幸せだから、あることに感謝する。そして、昔からあったことを現代のやり方で取り入れられたら素敵じゃないかと。手間はかかりますが、自分を可愛がるのが植物療法。是非、自分自身、そして近くの大切なひとを可愛がってあげてください。

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