夫と不倫したくせに友達関係は続けたいと言う親友。異常な思考とわかっていても彼女を受け入れてしまった妻に待つ未来は?【書評】

マンガ

公開日:2025/9/23

 友達を大切にするのは素晴らしいことだが、その友達が自分のパートナーと不倫してしまったら、これまでと同じ関係を続けていくのは100%無理だと思う。だが『優しい顔をした親友は、夫と不倫して私の家に入り込んできた。』(むーみー:原案、魚田コットン:漫画/竹書房)は、友達と夫が不倫していることをわかっていながら、彼女と友達関係を続けた女性の実体験をもとに描いている。

 夫と一緒にカフェを営み、ふたりの子どもに恵まれ家族円満に過ごしていた妻・むーみー。ある日、容姿端麗な女性・マコが働かせてほしいと店にやってきた。むーみーは人当たりもよいマコと仲を深めていくが、なぜか自分に対する夫の態度がだんだん冷たくなっていく。

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 そしてある日、夫から「マコと不倫した」という衝撃的な事実を告げられる。マコも土下座して不倫を認めるが「反省しているから、友達関係はずっと続けたい」と懇願してくる。不倫を認めた後もなんら変わることのない夫の冷たい態度に心を痛めるが、不倫前と変わらず優しく寄り添ってくれるマコにはつい心を許してしまう。そんななか、周りからマコの裏の顔が明かされる。真実を知ったことですべてを終わらせようと動き出すむーみーに、ある恐ろしい出来事が待ち受けていて――。

 好きになった人と結婚し友達を信じていただけなのに、一変してしまった生活。孤独のなかで悩み続けることは相当な苦しみであることは想像に難くない。しかし本作の主人公は周りの人に助けを求めたことで次への一歩を踏み出すことができた。この行動は不倫問題にかかわらず、あらゆる悩みを解消する大きなヒントになるかもしれない。

 人を信じて裏切られ、それでも前に進もうとするむーみー。無自覚に人を傷つけることを繰り返すマコ。このふたりが迎える結末とは?

文=ネゴト / くるみ

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