トム・ブラウン布川ひろきのエッセイ連載「おもしろおかしくとんかつ駅伝」/ 第19回「コント」

文芸・カルチャー

公開日:2025/9/30

僕らのコンビはM-1グランプリで世の中に少し知っていただいたのでネタを知ってる方は漫才のイメージが強いのかなと思います。「ダメー!」と言って頭をひっぱたいてる人達と言ったらこの人かとわかる人も少し増えるのかなと思います。

ただ僕達のコンビで最初に作ったネタはコントでした。というか最初の1年くらいはほぼコントをやっていました。初めて作ったアイドルオーディションのネタはいまだに営業でやったりします。

上京してからのネタ見せオーディションも男だけしかいない合コンのコントをやりました。単独ライブでは漫才2コント6くらいのネタ配分でした。というように元々かなりの率でコントをやっていたのです。では何で漫才をやるのが圧倒的に増えたか。それは

「漫才の方が笑ってもらえるから」です。

上京して少しした時に漫才とコントを両方やるライブがありネタがなかったのでほぼアドリブでやることにして出たら思ってる以上に笑ってもらえたので漫才中心に変更しました。

前回書いた唐沢寿明さんの服装の話と同じことです。その人達に合うことをやる方がいいということです。

もちろん漫才に熱量がないというわけではありません。むしろあります。16年自分なりにはやっているつもりです。僕らはよく驚かれるのですがみんなが面白いと思ってくれる方をやったりしますし芸人や作家さんから

「袖の芸人だけ笑わせたいんだよね?」

と、言われたりしますがそんな気持ちは本当に0%でめちゃくちゃ老若男女笑わせたいと思っています。

「嘘つけぇー!!」

と、ツッコまれたりニヤつかれながら

「その感じで?」

と言われます。でも本当です。なので漫才をやるのはとても自然なことでした。しかし、M-1グランプリの出場が終わって気付きました。笑ってもらえる方をやればと思っていましたが元々最初にコントをやっていてやはりコントでもという隠れてた気持ちが出てきました。お恥ずかしいです。

そういえば空気階段がキングオブコントで優勝した火事のネタはお笑いの歴史の中でも最高峰のおもしろネタなので何回も見直しています。

バイきんぐさんの優勝した時のネタもセリフ全部言えるくらい何回も見直しています。

高校生の頃おぎやはぎさんの同窓会で屁こいた?と聞かれて1回目だけこいてない。と嘘をつくネタもその部分だけでも何回も見ました。

小学生の頃にダウンタウンさんの「あ研究家」のネタも何回も見てますし
ウンナンさんの「レンタルビデオショップ」のネタも何回も見てますし
とんねるずさんの学園コントも「ひどいじゃないのよー!」を家族でマネするくらい見てます。

今、自分の人生を思い返すと近くにコントがかなりあったようです。なので今やるのも普通でキングオブコントに出るのも普通なのかなと思いました。漫才は朝食でお米食べてる感じでコントは朝食でトーストを食べてる感じです。

なので今年のキングオブコントに向けて普通にコントをたくさんやれたのかもしれません。
おかげさまで今年のキングオブコントで決勝に進出することができました。ぜひ上記のようなエキスでできたコントを10月11日に見てもらいたいなと思います。

ただ1つ気をつけたいと思ってることがあります。
冒頭で書いた最初に作ったアイドルオーディションのネタで相方のみちおがY字バランスをする所があります。

ジーンズの短パンで左足をあげてY字バランスをします。右側のお客さんはすごく笑っていたのですが左側のお客さんから「キャーーー!」と悲鳴があがりました。短パンからはみ出た小さなものがもろ見えでした。

キングオブコント決勝ではこうならないように気をつけたいと思います。
そのネタをやるつもりはありませんが。

あ。

でも待てよ。

どぶろっくさんのキングオブコント優勝ネタみたいな感じで評価されるかもしんないか。

ネタ再考したいと思います。

<第20回に続く>

あわせて読みたい