人気実況グループ・ドズル社のメンバーが指南!「伝える力」を伸ばす語彙力バイブル【書評】
公開日:2025/10/2

ゲーム実況を通じて伝える力を磨いてきたドズル社が、今度は語彙力に真正面から挑戦する。『ドズル社の「伝える力」を伸ばす語彙力バイブル 語彙をマスターするまで終われません!』(ドズル社:監修・著、梅澤眞由起:監修/KADOKAWA)は、楽しみながら言葉を覚え、表現力を鍛えられる新感覚の一冊だ。
語彙をマスターする冒険の書
本書は「語彙力マスターへの道」と題した章立てで進行する。各章には「気持ちを伝える言葉を覚えよう」「反対の意味や似た意味の言葉を攻略」などのミッションがあり、読者はドズル社の実況企画さながらのテンションで語彙チャレンジに挑戦できる。
クイズ・言い換えバトル・ことわざまで
単語を並べるだけの参考書と一線を画すのが、豊富な企画ページだ。
「言い換え王選手権」では、同じ意味を持つ言葉をいかに的確かつ面白く置き換えられるかを競う。「早抜け暗記選手権」では、ゲームさながらの早押し感覚で語彙を定着させる。
また、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」といった日本語特有の表現も多数収録。普段の会話や作文、プレゼンテーションでも役立つ知識が、遊び心満載の形式で身につく。
こうした工夫によって、ただの「語彙集」ではなく、「体験型の語彙バイブル」として読者を引き込む仕掛けが成立している。
ドズル社ならではのユーモア
ページを読み進めていると、随所にドズル社らしいユーモアが散りばめられている。 たとえば「シュークリームが乗ったラーメンセット」という突飛なエピソードを通じて「盛る・誇張する」という語彙を解説するなど、印象に残る例が満載だ。思わず笑ってしまいながら学べるため、内容の定着度も高い。
実況や動画で見せてきた「遊び心」「エンタメ感」を、語彙学習というテーマに持ち込むことで、普通の教材では味わえない「楽しい勉強」が実現している。
語彙力が広げる「伝える力」
この本が伝えようとしているのは、単に言葉を増やすことではない。「語彙を知ることで、相手に伝える力を伸ばす」という点にこそ、本質的な狙いがある。
怒りや喜びをより細かく表現できれば、自分の気持ちはより伝わりやすくなる。言葉のバリエーションを持てば、状況に応じた最適なフレーズを選べる。そうした積み重ねが、会話の質を変え、人間関係を豊かにしていく。
学びたい人すべてに開かれた一冊
本書は、実況ファンだけのために書かれたわけではない。
学生にとっては、作文やスピーチ、面接で役立つ語彙力を身につける手助けになる。社会人にとっても、プレゼンや会議で説得力を増す武器になる。もちろん、日常のちょっとした会話で「いつもより気の利いた一言」を言えるようになることだって期待できる。 「勉強」と「エンタメ」をかけ合わせたドズル社らしい本だからこそ、幅広い層が楽しみながら学べるのだ。



文=あめ