「本当にショックだった」大人になってから診断された「発達障害」の衝撃…発覚したキッカケは?【著者インタビュー】
公開日:2025/10/25

近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。
本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。
ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
――改めて、発達障害が分かった経緯を教えてください。
ネコゼさん(以下、ネコゼ):私は幼い頃から強迫性障害に悩んでいるのですが、長年お世話になった主治医が遠くの病院に異動することになり、主治医を変えなければならなくなったことがキッカケで発達障害が分かりました。病院を変えて他の医師に診てもらったところ「発達障害の可能性がある」と指摘され、検査を受けた結果、混合型のADHD(※)と診断され、アスペルガーはグレーゾーンと言われました。
※ADHDは不注意型、多動性・衝動性、混合型(不注意と多動性・衝動性の両方が目立つ)の3つタイプに分類される

――発達障害の診断を受けた時、どのように思われましたか?
ネコゼ:本当にショックでした。そんな診断をされるくらいの状態なのか、と。でも、同時に腑に落ちた部分もありました。発達障害の検査ではたくさんの質問項目に答えるのですが、該当するものが結構多いなとは感じていて、「もしかしたら…」という気持ちもあったので。ただ、幼少期に分かっていれば、もっと違う生き方ができていたのではとも思いました。
――診断された時に、葛藤があったことが本書では描かれています。その葛藤をどのように乗り越えていったのでしょうか。
ネコゼ:同じ発達障害がある友人と話すなかで、心の中に変化がありました。友人が「発達障害があっても、ネコゼはネコゼ」「ネコゼは変わらない」と言ってくれたことで、「発達障害があっても、私が私であることは変わらないんだ」と思えるようになりました。
取材・文=アサトーミナミ
