「もっと早く気づいていれば」大人になってから「発達障害」の診断を受けた葛藤と、その乗り越えかた【著者インタビュー】
公開日:2025/10/27

近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。
本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。
ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
――ネコゼさんは大人になってから発達障害の診断を受けました。発達障害の診断を受けて、苦労したことや悩んだことはありますか。
ネコゼさん(以下、ネコゼ):“過去”に苦しめられました。「発達障害だから、今までこんなにも悩まされてきたんだ」という過去に。「今まで悩んできたことは、すべて発達障害が原因で、それに気づかなかったんだ」「もっと早く気づいていれば」と思ってしまうことがきつかったです。
――診断を受けて「良かった」と感じることがあれば、教えてください。
ネコゼ:診断を受けたからこそ、対策ができるというところですね。予備知識がない状態では、どうしていいか分かりませんでした。発達障害の診断を受けた今では、何か問題が起きたらいろんな対策を、医師や同じ立場の友人に聞いて解決することができます。困りごとに対処する方法を工夫していけるということは良かったと思います。
――同じように発達障害に悩む人に向けて、伝えたいことがあれば教えてください。
ネコゼ:今まで診断されていない中でも「自分は頑張って生きていた」ということに着目してほしいと思います。その上で、診断されたからこそ試すことができる対策がたくさんあるので、マイナス面ばかり捉えないようにしてほしいと思います。
取材・文=アサトーミナミ
