強迫性障害なのに「別の病気」と誤診された。合わない薬に苦しんだ日々と、それに気づかなかった両親への思い【著者インタビュー】
公開日:2025/10/30

近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。
本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。
ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
――ネコゼさんは学生時代から強迫性障害の症状に悩まれてきましたが、その診断にはかなり時間がかかったそうですね。最初に「統合失調症」と誤診され、投薬治療へ。そこから1年ほど苦しまれていたという時のエピソードはあまりにも衝撃的でした。改めて、その時のことを教えてください。
ネコゼさん(以下、ネコゼ):その間の記憶が全部飛んでいるんですよ。自分で薬をやめる前後くらいからの記憶は少しあるのですが、周囲から当時の話を聞いて、記憶を補完している感じです。
――誤診で全く違う薬を飲んでいたせいで、身体が重くて歩くのも苦しくなったり、教科書が読めなくなってしまったり、力が入らなくてペンが持てずに文字が書けなくなったり…。できないことが増えていって休学するほどになってしまったことに、読んでいて胸が苦しくなりました。
ネコゼ:明らかに様子がおかしくなっていることに気づいていたはずなのに、父親は私に関心を示さず、母親は医者任せで、私のことを放置していました。とにかく早くセカンドオピニオンを受けていたらと思います。そうしたら、こんなに長い間苦しむことはなかったかもしれないのに、と。
それと、医師と2人で話す時間があったら良かったのにと思います。診察の時は母親が付き添いで同席していたので。当時は、いつも兄たち最優先の母親が一緒に来てくれることに「私を心配してくれているのかな」と、ちょっと嬉しいような変な気持ちがありました。でも、母親の前で医師と話をするのはやっぱり嫌だったし、母親の前だからちゃんと話せない部分はあったのかなとは思います。
――薬の副作用に悩んでいる人もいるかと思います。ネコゼさんの経験から、「薬が合わないかも」と思った時はどのように対処するのがいいと思われますか?
ネコゼ:「合わないな」と思ったらすぐに主治医に相談するのが一番ですが、加えて、医師との相性も大事なのではないでしょうか。自分が納得いく結論を出してくれる医師に巡り合えたら、前向きに治療に取り組めると思います。
――ネコゼさんが「この先生、いいな」と思えるポイントがあったら、教えてください。
ネコゼ:私は話をオブラートに包んで言われると、そのままの言葉で理解してしまい、「察する」のが難しいタイプです。今の主治医は、そういうことをしない、直球どストレートなことを言う先生なので、そこが助かっています。医者との相性はやっぱり大事ですね。
取材・文=アサトーミナミ
