「治せるものなら治してる」強迫性障害で苦しむ日々、上司から「早く治してね」と言われた時のショック【著者インタビュー】
公開日:2025/10/31

近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。
本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。
ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
――幼い頃から強迫性障害に苦しみ、大人になってから発達障害と診断を受け、さらには医師から、ご家族からのネグレクトや精神的虐待を指摘されたネコゼさん。印象的だったのは、ネコゼさんが職場の上司に精神科に通院していることを告げる場面。上司から「早く治してね」「元気になってね」と言われ、大きなショックを受けたとのことですが、この時に感じたことを改めて教えてください。
ネコゼさん(以下、ネコゼ):「何もわからないくせに」という思いですね。「治せるものなら治しているのに」「治らないものもあるのに」「早く元気になるわけではないのに」とも。
――「早く治してね」「元気になってね」は、つい言ってしまいがちな言葉かもしれません。精神科への通院を打ち明けた時、どんな言葉をかけられたら救われますか。
ネコゼ:私が一番嬉しいのは「あ、そうなんだ」みたいな、軽く受け止めるような反応です。きれいごとを並べるような感じではなくて、特に気にしていないような、サラッと自然な感じだと気が楽ですね。
――発達障害や強迫性障害など、ネコゼさんのように障害に悩んでいる方々にメッセージをお願いします。
ネコゼ:過去はどうやっても変えることはできません。ですが、これから先は自分次第で変えられるんだと信じています。どうするのが自分にとって楽しい人生になるのかということに、注目してみてください。悩みつつも、今まで頑張ってきた自分を大事にしてほしいと思っています。
取材・文=アサトーミナミ






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