親から放っておかれることが当たり前で、寂しい思いをしていた…。「きょうだい児」として暮らした幼少期【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/1

 近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。

 本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。

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 ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――ネコゼさんは大人になってから発達障害の診断を受けました。同時に医師から「ネグレクトや精神的虐待の可能性」も指摘されました。ネコゼさんの幼少期のことについて、改めて教えてください。

ネコゼさん(以下、ネコゼ):物心がついた頃から、私は障害のある2人の兄のお世話係で、私のことを親があまり見ていないという状況がありました。いつも親の機嫌をうかがうような感じで、結構寂しい思いをしていました。

――ネコゼさんは、3つ上のお兄様が重度知的障害で自閉スペクトラム症、2つ上のお兄様が軽度知的障害であり、「きょうだい児」としてかなりの我慢を強いられてきたのではないかと思います。

ネコゼ:本当に、数え切れないほど我慢をしてきました。兄たちのことが中心で家庭が回っているから、私は放っておかれることが多く、甘えたい時に甘えることができませんでした。学校行事がかぶったら、親は絶対に兄たちのほうを見に行きますし。

――幼少期はそのような状況が当たり前だったんですね。

ネコゼ:当たり前でしたね。周囲との差を意識し始めたのは、小学校高学年くらい。でも、「他の家とはちょっと違うな」というのは分かったのですが、そういうものなんだと思っていました。まさか私がネグレクトを受けているとは思いませんでしたね。

取材・文=アサトーミナミ

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