私はネグレクトを受けていたの?大人になってから発覚した事実と、両親への思い【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/2

 近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。

 本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。

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 ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――ネコゼさんは大人になってから発達障害と診断され、その際、医師からご家族によるネグレクトや精神的虐待も指摘されました。「ネグレクト」という言葉を受けて、どのように感じましたか?

ネコゼさん(以下、ネコゼ):ネグレクトというと「完全に放置されている」というイメージだったので、衣食住があって、学費などいろいろお金を出してもらっていても、ネグレクトなんだと驚きました。「他の家とはちょっと違うな」と感じてはいましたが、まさか私がそうだとは思いませんでした。

――ネコゼさんには2人のお兄様がいらっしゃって、3つ上のお兄様は重度知的障害で自閉スペクトラム症、2つ上のお兄様は軽度知的障害があるとのこと。本書では、ご両親がお兄様のことばかり気にかけてネコゼさんのことはあまり気にかけていない様子が描かれていますが、今は、ご両親にどのような思いを抱いているのでしょうか。

ネコゼ:“諦め”のような気持ちがすごく強いですね。「もうこの人たちは何がどうなっても変わらないんだろうな」と。もうちょっと愛情を持って接してくれていたら…という気持ちもありますが、今までのことを振り返ってみても、まぁ、そうそう変わることはないんだろうなと思っています。

――幼い頃のご自身にかけてあげたい言葉があれば、教えてください。

ネコゼ:「はやくその環境から逃げなさい」と言ってあげたいです。物心がついた頃から兄たちのお世話係として生活していましたが、「そんなこと、やらなくていいんだよ」「そんなに頑張らなくていいんだよ」と伝えたいです。

取材・文=アサトーミナミ

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