人気のあるYouTuberでも家賃を延滞する? どんな人が延滞するのか、家賃保証会社の管理(回収)担当者が語る【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/11/4

もし部屋の家賃が払えなくなったら、そのときは2つの選択肢しかない——。『出ていくか、払うか 家賃保証会社の憂鬱』(鶴屋なこみん、原案協力:0207/KADOKAWA)は、部屋の家賃を滞納した人の賃料を立て替え、その立て替え分を督促する家賃保証会社の管理(回収)担当者の仕事を追ったコミックエッセイだ。取り立てに向かうと契約者がご遺体になっていることもあれば、テレビでよく見る芸能人からひどい文句をぶつけられることも…。さまざまな理由で家賃を滞納する人たちのマンガを読んでいると、“一歩間違えれば自分も債務者になるのでは…”という恐怖が頭をかすめる。原案は「カクヨム」で家賃保証会社の実態を告白してきた0207さん。「過酷な業務によるストレスを解消するために書き始めた」という本人に、家賃を管理(回収)する仕事のディープな日常を聞いた。

※書籍発売当時の2023年以前のお話としてうかがっています。

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——さまざまなタイプの延滞客が登場するので、“明日は我が身だ”と身が引き締まりました。自分は延滞客になりたくないと思う読者が大半だと思いますが、病気、事故、雇い止め…。自分の身にいつ何が起こるのかわかりませんよね。

0207:じつは、家賃保証会社もストレスが多い仕事なので、回収をしている側で、延滞客以上に借金を背負っている人も結構いますからね。延滞客のおじさんを多重債務者のおじさんが督促してるとか、珍しくもない。僕が以前に働いていた消費者金融もそうですよ。

——何がどうなるかわかりませんね。

0207:「どんな人が延滞してますか?」ってよく聞かれますけど、よくわからなくなりました。

ある月に、自分の担当範囲で1000件の延滞が発生したとします。ほとんどは電話・SMSで対応が終わります。支払いや連絡がない人の部屋に訪問しますが、対象は70件前後になる。では訪問して「会える」のは? せいぜい8~10人です。会ったこともない延滞客ばかりなんですから、よくわかりません。

——お金のない人が多いイメージでしたが、そういうわけでもないんですよね。マンガではお金があってルーズな感じの人もいますし。

0207:結構人気のあるYouTuberでも毎月延滞していましたからね。その人はお話が上手で、見た目も良い。動画だって作れる。稼ぐ能力はあるはずなんです。

選挙に出馬した、ちょっとした有名人も延滞していました。お金は持っているはずの人です。家賃30万くらいのマンションで、愛人と暮らしていて。そんな人でも、滞納を重ねて明渡訴訟になりました。

取材・文=吉田あき

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