太田将熙×溝口琢矢「人が人を愛する、その尊さを感じていただけたら」【ドラマ『君としたキスはいつまでも』インタビュー】
公開日:2025/12/4
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年12月号からの転載です。

オムニバスドラマ『君としたキスはいつまでも』で幼馴染みのケイタとアキラを演じるお二人。役に込めた大切な思いとは。
太田将熙さん(以下、太田):10年以上の付き合いの俳優仲間、チーム・ハンサム! でメインキャストを務めさせていただけるなんて、本当にありがたい機会です。これまで一生懸命頑張ってきてよかった。
溝口琢矢さん(以下、溝口):オムニバスという構成も、素晴らしいですよね。色々な場所で闘ってきた僕ら一人一人の長所を生かしてくださっている。将熙と僕が演じるケイタとアキラは7話から登場します。各話で様々な恋愛が描かれる中でも、一番踏み込んだストーリーになっているんじゃないでしょうか。
太田:ケイタ役をいただいて、とても光栄に感じました。ケイタは、一見何の悩みもなさそうな男性ですが、実は小学生の頃からアキラが好きで、その想いを押し殺して生きてきました。誰にも吐露できない自分の本心を隠すために、必死でにこやかに笑っている。僕は、そんな彼がすごく愛おしい。たとえ恋心でなくても、ケイタのように内心に苦しみを抱えている人はたくさんいると思うんです。僕も、本当の気持ちを出せないことはいっぱいありました。ケイタというキャラクターは、みんなのそういう心の最も柔らかい部分を、象徴している気がするんです。だから、ケイタを絶対に大切に演じたいと思いました。
溝口:本作のお話をいただいたときに、僕は正直、少し不安だったんです。企画もの的なボーイズラブ・ストーリーになってしまったらどうしようと。でも台本を拝読して、なんて失礼なことを考えていたんだと恥ずかしくなりました。非常に現代的でポップな会話劇なんですが、そこからケイタとアキラの心の奥底が立ち上がってくる。二人の人生がそこにありました。
太田:うん、その通りですね。まさにそのケイタの人生を、僕の中にトレースする作業に、撮影までの準備期間は専心しました。以前から仲良くしていただいているゲイの方にもお話をうかがったり。ケイタの生きてきた“時間”を僕の中に作っていった。
溝口:人が人を愛する。その尊さをケイタとアキラの二人の姿には感じます。
太田:そこに男女の性別は関係ない。ただ純粋な“愛情”というものがある。それを視聴者のみなさんにも感じていただけたらいいなと思います。
取材・文:松井美緒 写真:TOWA
ヘアメイク:木内真奈美(Otie)(太田さん)、横山雷志郎(Yolken)(溝口さん)、スタイリング:齋藤良介、衣装協力:シャツ3万1900円(キクス ドキュメント./HEMT PR)、その他スタイリスト私物(太田さん)、ジャケット4万6200円(クルニ/クルニ フラッグシップ ストア)、その他スタイリスト私物(溝口さん)
おおた・まさき●1994年、千葉県生まれ。2013年に舞台『FROGS』でデビュー。主な出演作に、映画『冗談じゃないよ』『悪鬼のウイルス』、ドラマ『夫の家庭を壊すまで』『未来の私にブッかまされる!?』、YouTube配信ドラマ『呪縛少⼥バギラちゃん』、ミュージカル『ボニー&クライド』など。今後、主演映画『人間モドキの四畳半』の公開も控えている。
みぞぐち・たくや●1995年、東京都生まれ。2007年デビュー。主な出演作に、映画『大河への道』、ドラマ『アリバイ崩し承ります』『天使の耳~交通警察の夜』『あいつが上手で下手が僕で シーズン3』、舞台『ワールドトリガー the Stage』シリーズ『仮面山荘殺人事件』『緑に満ちる夜は長く・・・』など。

ドラマ『君としたキスはいつまでも』
原案:舘 そらみ 脚本:木村聡志、石橋夕帆、清水 匡、舘 そらみ、モラル(話順)
出演:細田佳央太、莉子、本島純政、川津明日香、渡部 秀、小島藤子、猪塚健太、藤谷理子、青柳塁斗、松井愛莉、太田将熙、溝口琢矢、福崎那由他、中井友望、小関裕太、清水くるみ、松岡広大ほか 毎週日曜深夜0時10分 ABCテレビ(関西)、毎週土曜深夜2時30分 テレビ朝日(関東)で放送中
※ABCテレビでの放送終了後、TVer・ABEMAで見逃し配信 ※FOD・Prime Videoで全話配信
「人生でもっとも尊いキスシーン」を通して、大切な人との様々な愛の形を紡ぐ連作短編ラブストーリー。メインキャストには、小関裕太をはじめ「チーム・ハンサム! 」のメンバーが出演。舞台は、廃校になった小学校をリノベした湖畔のホテル。オープンを前に、小学校に所縁のある人々が招待された。廃校前の最後の卒業生・佐々木(細田佳央太)とみく(莉子)は初めてのお泊りデート、警察官の智行(猪塚健太)は保健室の先生だった亡き妻との日々を追憶する。幼馴染みのケイタ、アキラ、リュウカ(中井友望)、サイ(松岡広大)、そして人気ミュージシャンになったヨウジ(小関裕太)も、ミュージックビデオの撮影のためにホテルを訪れる。かつて子どもだった大人たちが、思い出の場所で自分自身と大切な人に向き合い、一歩を踏み出していく。
