じゃがいもは冷凍フライドポテトで代用。ズボラ女子が編み出す簡単で自由すぎるめんつゆ使い回しレシピ【書評】

マンガ

公開日:2026/1/16

めんつゆひとり飯』(瀬戸口みづき/KADOKAWA)は、読むだけで食欲と「自分でも作ってみたい」という気持ちを一気に刺激してくる漫画だ。

 主人公・面堂露は、普通の女性会社員。めんどくさがりな性格で、自炊をするときはありあわせの食材と常備調味料の「めんつゆ」を使い、思いのままに食事を作る。露の作る料理は、どれも特別に凝ったものではない。肉じゃがを作るときにじゃがいもの皮むきや下ごしらえをせず、冷凍フライドポテトで代用するといった大胆なエピソードもあり、「ここまで楽ができるなら作ってみようかな」と思わせるお手軽レシピが満載だ。

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「めんつゆ」という一つの調味料だけで豊かなレパートリーを展開するのは至難の業だが、それにも拘らず、健康的なダイエットメニューからご飯が進むガッツリ系のおかず、節約レシピまで幅広く網羅し、毎話さまざまなアレンジを見せながら第9巻まで単行本が刊行されている。

 また本作はギャグ漫画であり、料理をしない人でも十分に楽しめる内容だ。

 露の同期・十越いりこは調理に手間暇を厭わない几帳面な性格で、基本的にはズボラな露へのツッコミ役ポジションである一方、その几帳面さが常識を逸したときには、逆に露からツッコミを受ける凸凹な関係がたまらない。他にも個性豊かな登場人物たちによる食や料理に対する価値観の違いが垣間見え、そのギャップから生まれるやり取りが笑いにつながっていく。

 さらに本作の魅力は、料理を頑張らないことに罪悪感を覚える人の心をやさしくほどいてくれる点にある。めんつゆさえあれば、少しの工夫で食卓は十分豊かになる。露が繰り広げるゆるっとした創意工夫が読者の背中を押してくれる。

 笑いながら読んでいるうちに、気づけば「こんな料理でもいいのか」と自分のズボラさまでも肯定されたような気分になる。『めんつゆひとり飯』は、自分をちょっと許せるようになるやさしいユーモアに満ちた一冊だ。

文=ネゴト /

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