伊坂幸太郎の新作ミステリーを『本なら売るほど』の児島青がマンガで描き下ろし。妻が夫を殺した告白から始まる『さよならジャバウォック』
PR 公開日:2025/12/17

2025年10月22日(水)、伊坂幸太郎の最新作『さよならジャバウォック』(双葉社)が発売された。デビュー25周年の記念作として書き下ろしたのは、「夫殺し」から幕を開ける長編ミステリー。どんでん返しが炸裂する“伊坂らしい”作品となっており、その鮮やかな展開が早くも話題を呼んでいる。
伊坂氏は、2000年の『オーデュボンの祈り』でデビュー。2004年には『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、2008年には『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞、そして2020年には『逆ソクラテス』で第33回柴田錬三郞賞を受賞するなど、新作を発表するたびに高い評価を得てきた。
その伊坂氏が25周年という節目に送り出したのが『さよならジャバウォック』だ。これまで培った技量と構想力が結実した一冊で、ネット上でも「読後感が最高!」「ずっと違和感がつきまとう、不思議なミステリー」「全ての謎が明らかになった時は『やられた!』と思った」などの反響が相次いでいる。
そんな話題沸騰中の『さよならジャバウォック』だが、発売を記念して、『このマンガがすごい!2026』(宝島社)のオトコ編で第1位にもなった『本なら売るほど』で知られる漫画家の児島青とのコラボが実現。登場人物の心情や体験を、繊細な筆致で描き出した本作のあらすじマンガを描き下ろししてくれた。

物語は、仙台市で暮らす主婦・量子(りょうこ)が夫を殺めたと告白する場面から幕を開ける。結婚直後に夫の転勤で慣れない土地に移り住んだものの、子育てに追われる日々の中で、夫は別人のように冷たくなり、暴言を繰り返すようになった。そしてついには暴力にまで及び、量子は衝動的に夫の命を奪ってしまう。
自宅マンションの浴槽で倒れる遺体を前に途方に暮れる量子。すると、そこへ2週間前に近所で偶然会った大学生時代の後輩・桂凍朗(かつら こごろう)が突然訪ねてきて、こう告げる。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」――。
凍朗は殺人に手を染めてしまった彼女を手助けする存在なのだが、その真意はなかなか掴めない。そもそもなぜこのタイミングで現れたのか? 何か目的があるのか? 本当に味方なのか? こうした数々の謎と違和感が、読者に奇妙な感覚を与え、物語へと引き込んでいく。
またタイトルに冠された“ジャバウォック”といえば、ルイス・キャロルの作品『鏡の国のアリス』に登場する架空の怪物。造語だらけの「ジャバウォックの詩」は意味が掴みにくく、主人公のアリスでさえも「頭がいろいろな気持ちでいっぱい」「何が何だかはっきり分からない」と混乱を漏らすほどだ。
『さよならジャバウォック』では、この怪物をテーマに、大きな謎に迫る物語が展開し、やがて冒頭からは全く想像のつかないラストへとたどり着く。このエンディングには推理小説家の綾辻行人も太鼓判を押しており、「終盤のクライマックスに至って『この物語の正体』に気づかされたとき、文字どおり驚きの声を上げた。ここまでの驚きを味わうのは久しぶりだった」とコメントを寄せていた。
そして著者の伊坂氏自身も「デビュー25年目にまだこういう小説を完成させられて達成感があります!!」と語り、「この結末は誰にも言わないで!」と念を押している。
なお『さよならジャバウォック』の内容を視覚的に掴みたい人は、冒頭でも紹介した「あらすじマンガ」がおすすめ。作品世界を具体的にイメージするため、本編を読む前の“予習”として目を通しておくといいかもしれない。なお、現在X(旧Twitter)でも公開されているので是非チェックしてみてほしい。







デビュー25周年の節目を迎えた伊坂氏が放つ、予測不能な新感覚ミステリー『さよならジャバウォック』。「読者をびっくりさせるミステリーを書きたい」と意気込んで執筆された同作を、ぜひお見逃しなく。
