大腸全摘でも食への情熱は止まらない! 糖質制限×倹約×健康が叶う、読むと笑顔になる料理漫画【書評】

マンガ

公開日:2026/1/7

 人生には思いがけない制約が訪れる。好きなものが食べられなくなる。やりたいことができなくなる。落ち込んでいいし、諦めたくもなる。でも、その状況を楽しむ方法が見つかったら新しい扉が開くかもしれない。

腸はなくとも食欲はある!』(島袋全優/竹書房)の主人公は、マンガ家の島袋全優さん。「食べること」が何よりの趣味だった彼女は、潰瘍性大腸炎により大腸を全摘し、糖質制限が必須の生活となった。それでも全優さんは立ち止まらない。むしろ全速力で“食”の探求に突き進んでいく。「貯金して一軒家を買う」という目標を掲げ、倹約しながら自分の身体に合った食事を工夫して楽しむ日々を描いたギャグエッセイ漫画である。

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 2巻でも、全優さんの底抜けに明るい「食べること愛」が炸裂している。サバ缶や冷凍枝豆を使った炊き込みご飯は、思わず「今夜作ってみよう!」と思わせる手軽さだ。長寿県・沖縄の郷土料理も次々と登場する。チムシンジやフーチャンプルーなど、初めて聞く料理も、ページをめくるたびに次々と飛び出してくる。糖質を抑えながらも満足度の高い一皿が完成する過程は、読んでいるだけで思わず笑みがこぼれ、自然とお腹が空いてくる。

 本作の魅力は、レシピの実用性だけではない。限られた予算の中で試行錯誤する姿、新しい料理に挑戦してテンションが上がる姿、そして何より美味しいものを食べて幸せそうにしている姿から、楽しむ力そのものが伝わってくる。シリアスなテーマを扱いながらも、決して重くならない。全優さんの明るいキャラクターとユーモアたっぷりの語り口が、「制限があっても人生は楽しめる」というメッセージを自然に届けてくれる。

 疲れたとき、制約に縛られていると感じるとき、ぜひこの一冊を手に取ってほしい。笑って、ほっこりして、前を向く勇気をもらえる。読後は思わず台所に立ちたくなる、そんな温かな元気をくれる作品だ。

文=ネゴト / くるみ

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