SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第54回「恥部」
公開日:2025/12/27
私は人間の身体って、長い時間を掛けて進化してきただけあって、フォルムとして割と美しく完成されているなアと思っている。無駄が少なく曲線的、且つ機能的で、なんかすごく良いな、と。ただね、ち〇ち〇は別。個人的な美的感覚で言うと、蛇足って言葉の由来にハマりすぎてるくらい物凄く蛇足。なんか途方もない時間を要して、滑らかに、そして均整が取れるように一生懸命作り上げられた誰かの作品に、今まで一度も携わってこなかった他のやつが急に参加して「えいっ」って落書きしちゃったみたいに感じるのは私だけだろうか。「銀河鉄道999」の映画版は物凄く良かったのに、鉄郎の顔の違和感だけはどうしても消化出来ないあの感じに近い。ん、近くないか。
どうして身体の中に一つの臓器として収納出来なかったのか、全くもって不明。走ったり、跳んだり、登ったり、泳いだりで使うことがないんだから、必要時にだけ使えれば良くない? 役割も内蔵的だし、なんで普段から使えるように準備されてるの? 俺全然わかんない。なんか表に出てたら危険だしさ。
だから雑にまとめてみると、きっと総合的にち〇ち〇は間が抜けてて面白いんだ。
このコンプライアンスがどんどん厳しくなっている時代に最も相応しくないテーマであることは重々承知しているが、エッセイを書くときに、私の人生で何か面白いことあったかなア、とか最近一番何考えているかなア、って考えて書き始めるのだが、師走でバタバタの最中、真っ先に出てきたのがこれだった。もしかしたら自分でも気が付いていないだけで、物凄く疲れていたのかもしれない。
でも。実は、今回記したことと同じことを考えている人も結構多いんじゃないかなア、とも思っているから、「よくぞ言ってくれた」とか「よくぞ言語化してくれた」という称賛の声をたくさん頂けるという未来まで、こっそり見据えていたりするのだ。
あなたが声に出せないことを、代弁するのも私の役割だ。そう思っているからこれを書いた。すなわち、これを書かせたのはあなただと言っても過言ではないのだから、共に背負おうね。
大前提、こんなことを書くことが悪いとはこれっぽっちも思ってないが、もしも悪いのだとすれば、これは誰が悪いとかの話じゃない。言うなれば、どっちも悪い。
書いた私も悪ければ、クリックして最後まで読んだあなたも悪い。でも、どちらかといえば、少しだけあなたが悪い。

しぶや・りゅうた=1987年5月27日生まれ。
ロックバンド・SUPER BEAVERのボーカル。2009年6月メジャーデビューするものの、2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを実施。2012年に自主レーベルI×L×P× RECORDSを立ち上げたのち、2013年にmurffin discs内のロックレーベル[NOiD]とタッグを組んでの活動をスタート。2018年4月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催。結成15周年を迎えた2020年、Sony Music Recordsと約10年ぶりにメジャー再契約。「名前を呼ぶよ」が、人気コミックス原作の映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に起用される。現在もライブハウス、ホール、アリーナ、フェスなど年間100本近いライブを行い、2022年10月から12月に自身最大規模となる4都市8公演のアリーナツアーも全公演ソールドアウト、約75,000人を動員した。さらに前作に続き、2023年4月21日公開の映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』に、新曲「グラデーション」が、6月30日公開の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の主題歌に新曲「儚くない」が決定。同年7月に、自身最大キャパシティとなる富士急ハイランド・コニファーフォレストにてワンマンライブを2日間開催。9月からは「SUPER BEAVER 都会のラクダ TOUR 2023-2024 ~ 駱駝革命21 ~」をスタートさせ、2024年の同ツアーでは約6年ぶりとなる日本武道館公演を3日間発表し、4都市9公演のアリーナ公演を実施。2025年4月に結成20周年を迎え、SUPER BEAVER 自主企画「現場至上主義 2025」を4月5日、6日にさいたまスーパーアリーナで行い、さらに、6月20日、21日に自身最大規模となるZOZOマリンスタジアムにてライブを行うことが決定。
自身のバンドの軌跡を描いた小説「都会のラクダ」、この連載を書籍化したエッセイ集「吹けば飛ぶよな男だが」が発売中
