金利上昇で「住宅ローンは大丈夫?」「有利な投資先は?」インフレ時代に必須のお金の新常識【書評】

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PR 公開日:2025/12/31

サクッとわかる ビジネス教養 金利とお金
サクッとわかる ビジネス教養 金利とお金(杉山敏啓/新星出版社)

 ずっと「金利なんてあってないようなもの」と思ってきたから、金利の話になると、どこか自信が持てない。そう感じている人はきっと私だけではないだろう。だが、インフレが進むこの状況で、知識ゼロのままでは心もとない。1999年に行われた「ゼロ金利政策」導入から25年、2024年3月に日本銀行はその解除に踏み切り、金利は上昇局面へと転じた。すべての人が物価高を肌で感じているなか、これからは金利が動くのが当たり前の時代が訪れる。「住宅ローンは変動型のままでいいの?」「金利上昇は株価にどんな影響があるの?」「金利がある世界で有利な投資先は?」――自分のお金を守り、増やすためにも、今こそ金利の知識を身につけておきたい。

 そんな人におすすめなのが、『サクッとわかる ビジネス教養 金利とお金』(杉山敏啓/新星出版社)。シリーズ累計100万部突破の「サクッとわかるビジネス教養」の中の1冊だ。本書では、金利について基礎中の基礎から、インフレ・景気・投資・企業業績・為替との関係までをまとめて学ぶことができる。とっつきにくく感じがちな金利というテーマがフルカラーのイラストと図解で分かりやすくひもとかれていく。これからの時代を生きる上で必須となる金利についての教養を、手軽に自分のものにすることができる本なのだ。

金利は物価や景気などの影響で変動するもの

 そもそも金利とは、貸し借りしたお金に対して受け取る(支払う)対価のこと。お金を借りたい人や企業の「需要」と、貸し出せる資金という「供給」のバランスで決まるため、需要が増えると金利は上がりやすい。たとえば、物価が上昇すると、消費者は値上がり前に購入しようとして消費が増え、企業は生産や投資を拡大するために資金を必要とする。その結果、お金の需要が高まり、金利が上昇する方向に働く。本書ではそんな基本から解説されている。イラストと図解を見れば、「全く知識がない」という人にとっても、理解しやすいだろう。

住宅ローン、変動で本当に大丈夫?

 金利の話でまず不安に感じやすいのが住宅ローンだ。住宅ローンの商品には変動金利型と固定金利型があり、当初の金利が低いことから、変動型を選ぶ人は多い。固定型なら金利が上がっても返済額への影響はないが、変動型は金利上昇が負担の増加につながる。本書では、そんな住宅ローンをはじめとする、お金を借りる時の金利についての知識も詳しく解説されている。変動金利型でも返済額が急増しない「5年ルール」や「125%ルール」、住宅ローン控除の仕組み、借り換えの注意点など、今、おさえるべき要点が整理されている。

金利が上がる時、何に投資する?有利な投資先は?

 また、金利の上昇はお金の増やし方にも影響する。本書では、金利の上昇がプラスに働く資産とマイナスに働く資産についても詳しく教えてくれるから、自分の資産運用にも役に立つ。

「金利が上がると投資信託はどうなる?」「外貨預金は円安ならトク?」「個人向け国債は有利?」「高金利が魅力の新窓販国債とはどんなもの?」——インフレに負けない資産形成のために大切な知識が満載だ。

 金利というと、ちょっと難しそうに感じる人も多いだろう。だが、イラストがふんだんに使われた本書ならば、サクッと読み進めやすい。インフレに負けないために、この本で金利について学んで、これからのお金との向き合い方を考えてみませんか。

文=アサトーミナミ

◆新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
https://fun-life-shinsei.com/

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