ルソー、アーレントらの「古典」を約100ページに凝縮!「なぜ働くのか」「民主主義を信じられる?」への回答は? 「すごい古典入門」シリーズ創刊

社会

公開日:2026/1/9

 インターネットが実生活に欠かせないものとなり、近年ではAIの存在感も急速に増している。多様なテクノロジーが暮らしを豊かにする一方で、社会の混迷を加速させている側面があるのも否定できない。だからこそ現代においては、“先人たちの言葉”に耳を傾ける姿勢がこれまで以上に求められているのではないだろうか。そうした問題意識に応えるのが、今回紹介する「すごい古典入門」シリーズ(中央公論新社)だ。

 同シリーズは、中央公論新社が2026年1月より創刊した古典の入門書。先人たちが遺した古典はもちろん、今だからこそ読み直したい名著の数々を、各分野の専門家が分かりやすく解説していく。

「古典」と聞くと、かた苦しく難解な印象が先立ち、なかなか手を伸ばせないという人も少なくないだろう。しかし同シリーズでは、各書とも約100ページとコンパクトな分量にまとめられており、比較的短時間で要点を押さえられる構成となっている。それでいて、作品や思想の核心がしっかり理解できるように整理されている点が特徴だ。

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 さらにサブタイトルによって明確な切り口が提示されているので、その時々の関心に応じて読みたい章を選びやすい点も見逃せない。加えて、各分野の第一人者による解説は説得力が高く、古典への距離をぐっと縮めてくれる要素となっている。

 そんな「すごい古典入門」シリーズでは、まず第1期として2026年1月8日(木)に『すごい古典入門 ルソー「社会契約論」 民主主義をまだ信じていいの?』(宇野重規/中央公論新社)と『すごい古典入門 アーレント「人間の条件」 なぜ働かなきゃいけないの?』(戸谷洋志/同)の2冊が刊行された。

 ルソーといえば、18世紀フランスで近代民主主義の基礎を築いた有名な思想家の一人。同書では、ルソーの名著『社会契約論』を東京大学社会科学研究所教授で、民主主義論の第一人者とされる宇野重規氏が現代社会になぞりながら解説していく。

 対して『すごい古典入門 アーレント「人間の条件」 なぜ働かなきゃいけないの?』は、20世紀を代表する政治哲学者、ハンナ・アーレントの書籍『人間の条件』を読み解きながら、「働く」を根本から問い直す一冊。解説を担当するのは、ドイツ語圏の現代思想を研究する立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授の戸谷洋志氏だ。

 さらに2月には、『言葉の魂の哲学』で知られる哲学者・古田徹也氏が、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を解説する書籍が刊行予定。続く3月には、JT生命誌研究館名誉館長・中村桂子氏が、レイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』を読み解く一冊もリリースされる。

 ここまでが第1期のラインナップとなり、第2期は2026年9月より始動予定。日本におけるジェンダー研究のパイオニア・上野千鶴子氏と、20世紀を代表するフェミニスト、シモーヌ・ド・ボーヴォワールを組み合わせるなど、意欲的な企画が控えている。

「物事の本質を知りたい」「幸せとは何か」「なぜ働くのか」。「すごい古典入門」シリーズは、こうした根源的な問いや迷いを抱える人にこそ手に取ってほしい書籍群。先人たちの言葉に耳を傾けることで、現代を生き抜くためのヒントがきっと見えてくるだろう。

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