MOE絵本屋さん大賞第1位は『おせち』!人気シリーズ&50年愛される名作の絵本版も。子どもに読みたい一冊が見つかる「MOE絵本屋さん大賞2025」【贈賞式レポ】
更新日:2026/1/30
4位『まてないの』ヨシタケシンスケ/作 ブロンズ新社

お母さんのお腹にいるときは「はやくおそとにでて あそびたいの」。赤ちゃんになったら「ことばをおぼえるまで まてないの」。そのまま大きくなり、学校も仕事も子育ても、待つことなんてできなくて、いつだってかけ足足踏み。けれども、おばあちゃんになり、ちょっとだけ立ち止まったら…。そんなお話。

「“待てなさ”って2種類あると思っています。ひとつは、周りがついてこないという他人を待てない待てなさ、もうひとつは、自分のペースでいたいけど、周りに置いていかれるんじゃないかと思い、早くやらないとと焦ってしまう、自分自身の待てなさ。僕は後者のほうです。そもそもこの本は、出版社の人がなんとか今年中に一冊…と、待っていただけなかった本なのですが(会場笑)。世の中の変化は激しくて、いろんなことが違う形になると、みんなが焦ってくる。その中で私たちは何を待てるんだろうか、と考えることが最近増えました。これからも、紙の本を盛り上げていくことに一役買っていけたら。最終的に待っていただけた出版社の方々にもお礼を申し上げます」(ヨシタケシンスケ)
5位『たれてる(?と!のえほん 1)』鈴木のりたけ/作 ポプラ社

ドーナツにチョコレートをかけたら…おいしそう! あれ、ちょっとかけすぎ? たれてる、たれてる! でも、アイスでナイスキャッチ! と思ったら…。1枚の絵から連想されたお話が、次のお話につながっていく。好奇心の「?」と発見・理解の「!」が交互にあらわれ、最後には笑いと爽快感に包まれるシリーズ第一弾。
「この絵本は、他とは毛色が違う作品。言葉がなくても通じるような、世界中で読んでもらえる絵本を作りませんかとお話をいただき、感性だけで気持ちが盛り上がるような絵本を作りました。普段子どもたちと過ごしている時に、“ソースをかけながら、よそ見をして、あ〜たれてる!”という見慣れた風景があり、そこに妄想が加わって面白い世界を展開させています。読む人が楽しみ、想像できる本。また違う挑戦になりましたが、選んでいただいて嬉しいです」(鈴木のりたけ)
6位『おばけずし』苅田澄子/作 柴田ケイコ/絵 金の星社

はっちゃんのお寿司屋さんは、いつもがらすき。「おばけでもいいから来てくれないかなあ」とつぶやくと、本当におばけがやってきた! おばけのお寿司を握ると、おばけは大喜び。お礼におばけの魚を釣ってきて!? おばけが握ったおすしは、ちょっと不気味だけど美味しそう。人気作家の柴田ケイコが描く愛嬌たっぷりのおばけにも注目を!

「このお話は、7〜8年ほど前に書き、自分で没にしてパソコンの奥に入れっぱなしでしたが、こんなに素晴らしい絵を描いていただき、掘り起こしてくれた方にも感謝の気持ちでいっぱいです。MOEは中学2年の頃に出会った雑誌で、絵本が子どもだけではなく、大人のためでもあるという考え方に衝撃を受けました。それから絵本を読み始めたので、MOEに出会わなかったら絵本を描いていなかったと思います。最近なかなか絵本のアイデアが思いつかず、もう引退かしらと気弱になっていましたが、背中を押していただきました」(苅田澄子)

「絵本を作る前に、読み聞かせのボランティアをしていたんですが、その時に苅田さんの絵本を読む機会がとても多く、大好きな作家さんでした。今回このようにお仕事をいただけたことに感謝し、断る理由もなくお引き受けさせていただきました。おばけずしが飛び回るシーンでは、おばけが作るお寿司ってどんなのだろう…と想像するのが楽しく、自由に描かせていただいたのもありがたいことでした」(柴田ケイコ)
