MOE絵本屋さん大賞第1位は『おせち』!人気シリーズ&50年愛される名作の絵本版も。子どもに読みたい一冊が見つかる「MOE絵本屋さん大賞2025」【贈賞式レポ】

文芸・カルチャー

更新日:2026/1/30

7位『モモ(絵本版)』ミヒャエル・エンデ/文 シモーナ・チェッカレッリ/絵、松永美穂/訳 光文社

 原作は、いまから50年ほど前に出版され、3世代にわたって愛され続ける名作。本作は、作者であるミヒャエル・エンデの名作刊行50周年を記念した絵本版。モモにみんなが会いに行くのは、彼女が話を聞いてくれるから。時間に追われる日々の中で失いがちな大切なこととは——。自分が夢中になって読んだ物語を、小さな子どもたちにも。

「ドイツ語文学の翻訳をしている者なので、このような賞をいただけるとは思っていませんでした。ある時から絵本を翻訳したいと思い、ドイツで買った絵本を出版社に持ち込んだりしていましたが、出版社自体が絵本を扱っていないようなこともあり、どうやったら絵本を訳せるんだろうと思っていた時期もありました。『モモ』は50年以上前に書かれた本ですが、今回は原作とはまたちょっとテイストが違う絵をシモーナ・チェッカレッリさんが描いてくださり、それをたくさんの方が読んでくださったことに感謝しています」(松永美穂)

「この物語は、お互いの声に、世界に、そして時間そのものに耳を傾けることを、わたしたちに思い出させてくれます。わたしたちの毎日が静かな驚きに満たされますように。心をこめて」(シモーナ・チェッカレッリ)
※ビデオメッセージで出演

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8位『ぼくのいえ』鈴木のりたけ作・絵 PHP研究所

 水をかけると崩れる“砂の家”や、引越しするときに転がせる“丸い家”など、へんな家があってもいいんじゃない? 「ぼくの」シリーズ第6弾では、家がテーマ。外観はもちろん、実際に生活した様子が緻密に描かれるなど、遊び心満載。「こんな家に住んでみたい」と子どもたちが想像をふくらませるきっかけに。奇想天外な物語や絵さがしも楽しめる!

「このシリーズは、僕が初期に作った絵本のひとつ。「ぼくの」シリーズはフォーマットが決まっていて、本作は“みんな同じような家だから違う家に住みたいな”という発想から妄想が広がっていくストーリー。そのフォーマットに当てはめるとどんなテーマも面白くなるので、自分にとってのアイデア増幅装置になっています。あの頃に思いついた企画がこんなに長く続き、書店員さんに選んでいただいたことに感慨深い気持ちでいっぱいです」(鈴木のりたけ)

9位『すいかのたね』(押本達希/作 ブロンズ新社

 スイカがドドンと描かれた表紙はインパクト抜群。美味しそうなスイカをパッカーンと割ってみると、たねがひとつぶ飛び出して!? アリやら、オタマジャクシやら、はたまた音符の中やら…今度はどこに隠れてる? ページをめくるたびにププッと笑いながら、絵の美しさに感服。“無名の自称作家”を名乗る押本達希氏によるデビュー作。

「(新人賞とのW受賞となり)お知らせをいただいたときは嬉しかったのですが、スピーチが2回ありますと言われて憂鬱でした(笑)。まさかの受賞ですけれども、本の発売が夏で、投票期間が秋からだったので、書店員さんたちの記憶に新鮮に残っていたことがラッキーだったと受け止めております」(押本達希)

10位『パンどろぼうとスイーツおうじ』柴田ケイコ KADOKAWA

 少し間抜けだけど、いつも全力なキャラクターで大人にも子どもにも愛されるパンどろぼう。シリーズ第7弾の舞台は“スイーツおうこく”。食わずぎらいが多いスイーツおうじは、ご飯も食べずにスイーツばかり。心配した王妃さまが、評判のパンどろぼうをお城に招きますが——。パンどろぼうの中身がバレそうになる危機も!? 迷路や絵さがしでも遊べる一冊。

「まさか、また賞をいただけるとは思わず、感激しております。絵さがしや迷路を描いたことがなかったので、プレッシャーだったのですが、また新たな挑戦ができたことが楽しくて、それが読者にも伝わればと思いながら仕上げました。これからも、このシリーズをいろんな人に手に取ってもらえるよう、自分自身も楽しみながら制作に向かいたいと思います」(柴田ケイコ)

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