小さなひじとひざを曲げたら、何になれる? 子どもの発想力を試したいボディペインティング絵本『なにになれちゃう?』
公開日:2022/9/27

手の甲に白や黄色の絵の具を塗っていったら…美味しそうな目玉焼きになっちゃった!
そんなふうに、手やひじ、ひざなど、体のパーツに描かれた絵を見ながら読み聞かせを楽しめる絵本『なにになれちゃう?』(白泉社)が登場しました。手掛けたのは、資生堂やサムスンなどの企業とのコラボレーションをはじめ、TVや広告を中心に世界的に活躍するボディペイントアーティストのチョーヒカルさん。
この絵本で、何ができるかな?


手でグーやパーを作っているページ。「なにになれちゃう?」という言葉と共にページをめくると、次のページでは……パーン!!! キラキラのクラッカーが登場。
でも、よ〜く見てみて。クラッカーの下にはうっすらと黒い手のシルエットが見えます。さらに目を凝らすと、クラッカーの表面に、手のシワが見えてきて…。じつはこれ、手の甲に描かれたボディペイントなんです。
どう見てもクラッカーにしか見えない驚きの画力! 昔からある手遊びが、本当に絵になってしまうなんて…。じ〜っと見れば見るほど、いろんなものが見えてきて面白い!


次に出てきたのは、ひじと、ひざ。ひじとひざを曲げると、なにになれちゃう?
次のページに登場したのは、しわしわなゾウと、やわらかそうな桃。ひざのシワはゾウさんのシワになり、ひじの曲がり目はぷっくり膨らんでやわらかそうな桃になっちゃった。
これがもしお父さんのひじとひざなら、もっとたくましいゾウと、もっと大きな桃になっちゃうかも。
体のパーツの形や質感を生かせば、想像力の可能性は無限大。目に見えているものが、別のものに見えてくる…!
繰り返し読んで、子どものお気に入りの一冊に
こんなシワや、あんな毛穴。なんにでもなれる体のパーツを見ていたら、自分の体がもっと好きになれちゃうかもしれません。自分の体に興味を持てるなんて、いいこといいこと。
本作が4作目となるチョーヒカルさんの絵本では、子どもが緻密な絵に夢中になり、次に出てくる言葉を覚えてしまうとか。この絵本でも「なにになれちゃう?」「しわしわゾウ!」と、子どもが答えてくれるはず。その繰り返しが楽しくて、「今日も読んで!」とお気に入りになること請け合いです。
最後のページにはいろんな形をした手の写真があり、それが何に見えるのか、子どもと発想力を競うのも◎。想像力豊かな子どもに惨敗しそうな予感でいっぱいですが(笑)。さらに、絵本に掲載されたQRコードからは、撮影の裏側を収録した動画もチェックできます。
この絵本をお手本に、想像力だけで楽しめる遊びを、雨の日のちょっとしたおうち遊びや移動中の遊びにも取り入れたいですね。
文=吉田あき