子どもが30分も集中できた! 集中力や記憶力がアップする、フランス生まれのオシャレな探し絵本
公開日:2023/8/9

絵本ブームでさまざまな絵本が読まれていますが、「集中力」「記憶力」を楽しみながらアップしてくれるのが、探し絵本です。
『みつけだせ!ふしぎなまちで だいそうさく』(バレリー・サンソネ:作、ダニエル・スポントン:絵/KADOKAWA)は、フランス生まれのオシャレな探し絵本。「みつけだせ!」の指令を受け、ヒントをもとにターゲットを探します。各ページには、車、船、迷路、博物館、プール、おもちゃなど、子どもの好きな題材が次々と登場。子どもの好きなものは世界共通なのですね。
筆者も小学1年の息子と一緒に挑戦したのですが、これが結構難しいのです。

おもちゃがどんどん出てくるという伝説の宝箱を探しに出かけるといった内容。最初に登場するステージは「レジャーセンター」。建物の中に、不思議な生き物たちがひしめきあっています。
このページのターゲットは10個。「ダニーはあおとしろの はたをふっているよ」といった、ともだちを見つけるためのヒントが記されています。「すぐに見つかるだろう」と高を括っていたら、隅から隅までグルッと2回眺めても、まだ見つからない。「このページのヒントで合っているよね?」と一瞬自分を疑いましたが、「今度こそ」とひとりひとりをじっくり観察したら、ようやく発見。そんな大人の横で、子どもは「これじゃない?」といち早く見つけていましたが…。
膨大な不思議な生き物たちを「ひとりずつ確認」なんてゾッとするかもしれませんが、ターゲット以外の生き物たちもみんな「何か」をしているので、まったく飽きません。「これは何で遊んでるのかな?」「屋根の上で寝ちゃってる!」など親子の会話が飛び交っていました。本当に細かく描かれているなと感じます。

息子が喜んだのは、「みなと」のページでした。よ~く目を凝らすと、エイの顔をした生き物がいたり、カモメに似たものがいたりして、このページには「海」に関連する生き物がいることがわかります。またも、ターゲット以外のキャラクターに夢中になってしまいました。
ふと我に返り、ターゲットの捜索を…。ヒントの中には「トランシーバー」や「船の錨(いかり)」など子どもが初めて聞く言葉も多く、その度に言葉の意味を聞かれて親は大変ですが、おかげで本書を通じて子どもの語彙も自然とアップしそうです。
このページ、海の生き物が好きなお子さんには、たまりません! 他にも、「ふしぎのむら」には古代にいそうな生き物やマンモスが登場、「はくぶつかん」に摩訶不思議な像が出てくるなど、独特の世界観を存分に楽しめますよ。
もう一つ、息子のお気に入りは「かじ」のページ。火事現場に消防車が乗り込むのですが、赤い消防車を中心にした美しい色のコントラストに惚れ惚れ。息子は、赤い帽子を被った消防隊員たちを見ながら、「この人は火を消しているね」「こっちは人を助けてる」など、お仕事の役割分担について学んでいたようです。
集中力・記憶力アップに脳トレまで!
親子で集中すること約30分。息子は、眺めているうちにどんな生き物が何をしているのかを覚えてきたようで、「このヒントの生き物ならこっちのほうにいたよ」と得意気です。個人差はあると思いますが、これはもう、集中力と記憶力のアップに期待せずにはいられませんね。
息子は出先でもじっとしていられないタイプなので、長時間の移動や病院の待ち時間などに、ひとり遊びをしてもらうのにも最適だと思いました。筆者自身もこの本を眺めた後によく眠れたので、きっと普段使わない頭を使って「脳トレ」ができたのだと思います。ちなみに、探し絵の答えはヨメルバサイトで公開しているので、実際に見つけたものと答え合わせしてみてください。
親子でコミュニケーションを取りながら、さまざまな力がつきそうな絵本を、ぜひ家庭に一冊。スペシャル感のあるオシャレな一冊なので、プレゼントにもおすすめです。
文=吉田あき
◆書誌情報『みつけだせ! ふしぎなまちで だいそうさく』(KADOKAWA)
https://yomeruba.com/product/ehon/322211000478.html