自分だけ誘われなかったバイト先のボウリング会。ひとりで泣いている姿を副店長に見られ…?/これは勇気の切断だ②
公開日:2023/12/16
YouTubeチャンネル登録者数150万人越え! 大人気ゲーム実況者もこうによる初の自伝エッセイが発売!
病気をきっかけに不登校になった中学生時代。リアルが充実し始めたけど、卒業する頃にはまた友達が0人になっていた高校時代。アルバイト先の皆で行くボウリングに自分だけ誘われなかった大学時代。あえてパジャマで出社した社会人時代。
もこうが“もこう”になるまでの全てを大公開! 「配信なんかではまるで美談のように話してるけど…」 今だからこそ言える、 もこうの秘めたるの想いがここに。
※本作品は『これは勇気の切断だ』(もこう/スターツ出版)から一部抜粋・編集しました

もこうのブログ
2011年2月8日の2
前記事からの続き
————–
なんと今日シフトの入ってないはずのメンバーが続々と揃っていた。
俺「!?」
一瞬頭の中が混乱した俺だったが、キッチンの二人の会話を思い出すと同時に悟った。
「こいつら皆でボウリング行くのか・・・」
その数ざっと10人。もちろんこれはクルー全員ではないが。
ただその時の俺は完全に恐縮しちゃって、誰とも目を合わさずそそくさとゴミを出し、更衣室へ行き、着替え、撤収する準備を整えた。たぶん2分もかかってない。
だけど帰る前には必ず店長や副店長に挨拶をするのが決まりなので、一度事務室に戻らなければならなかった。
当然ながらボウリングメンバーはまだいる。
俺が通りかかると、バイトの3人くらいが「おつかれー」と声をかけてくれたが、嬉しかった反面自分がみじめに思えてきて、目を合わせずに返事だけして速攻で事務室に入った。
俺「あ、お疲れ様です、アップします。」
店長・副店長「おつかれさまです~」
その時、丁度今日店閉め番だったあのキッチン二人も支度を終えたようで、ボウリング参加メンバーが完全集合。
A君が何やら電話をしている。どうやら車の運転係に連絡を取っていたらしく、もう出発出来る態勢が整ったそうだ。
A君「じゃあ、そろそろいきますぅ~?ww」
メンバー「ああ、もう車ええん? じゃあいこかー」「あ、はーい、いこいこー」「店長、副店長お疲れさまでーす。もこう君もおつかれー^^」
俺「 」
いや、別にボウリングに行きたかった訳じゃない。
俺は新人だし、誘われるとも思ってない。
だけど、その場に仕事を終えた俺がいて、帰る準備も万端だったのは皆わかっていたはず。
Bさん辺り俺に「もこう君もくるー?」くらい声をかけてくれてもいいんじゃないか・・・・・・・・・・・?
なんで誰も俺を誘わない・・・?
その場できょとんとしているこの俺に声をかけてすらくれない・・・?
そう思うと、情けないことに涙が出てきた。
でもこれは矛盾なのだ。
俺はバイト先での人間関係は割り切る気でいた。
バイトは所詮バイト、金さえ稼げればそれで用はない。めんどうくさい人づきあいなど御免。
だから話しかけられたり、仕事を教えてもらう時も短い返答で済まし極力会話をしないようにしていた。そもそも親しい人と以外会話をするのが苦手だ。
だから俺なんて誘われなくて当然。当たり前。
そう予防線を張っていたのに。なのに、この涙は何?
なんという矛盾。
結局割り切れてない。
俺は弱い人間だ・・・。
「遊びに誘われるほどの人間じゃない」という現実を突き付けられた辛さ、自分の弱さ、二重の感情が融合し、涙腺からこみ上げるものをいっそう押し上げた。
家に帰らず、休憩室でデザートのレシピをメモるふりをして、泣いていた俺を見た料理長(前の副店長が転勤したので、今実質的な副店長はこの人。以下副店長と呼ぶ)が声をかけてきた。
副店長「おぅ、どないしたんやーwめもんのもいいけどもう帰ってもええんやぞー」
俺「・・・いや、あの・・・メモります・・」
その時顔をのぞかれた。
別に泣いてるの隠すつもりもなかったが、なんか言われそうと思った。
だが、俺が泣いているということを察した副店長は急に声のトーンが変わる。
副店長「おーん? どうしたんや? なんかあったんか?」
俺「いっや・・・なんも。。。ないっすけど・・・ええ・・・なんも・・ないっす・・・ズズズズズズズルルルッ」
副店長「おいおい、なんやもこう君。おうおうおう、とりあえずこれでふきーや。(トイレットペーパーを差し出す)」
俺「すわっせん・・・あっ・・・シュッシュッシュ ズズズッーー!」
副店長「なんや、皆ボウリング行ったで、いかんのか?」
俺はこの問いかけを捌け口に、一気に泣き崩れた。
俺「っ!! いっや、あの。。。俺誘われてないっすっ・・・・!! 誘われてないんで、行く訳ないんで・・・っ!!」
————–
続き筆記中
眠くなって寝落ちしそうなので続きは明日に
<第3回に続く>