年末年始で余ったお餅が大変身! SNSでは見つからなかった“お餅アレンジレシピ”の宝庫はここにあった
公開日:2024/2/22

お正月が近くなったあたりから、SNSに大量投下されるようになった「お餅のアレンジレシピ」。お正月気分でお餅を買ってみたけど大量に余っている……という人には、そうしたレシピは有り難い存在だろう。
しかしInstagramなどでバズるレシピは、次第に似たりよったりの内容になりがちだ。SNSでレシピを探すのも限界……と感じていた人にぜひ読んでほしいのが、『お餅の便利帖』(飛田和緒/東京書籍)だ。
飛田和緒さんは作り置きレシピ本の名著『常備菜』(主婦と生活社)などで知られる料理家。身近な食材を使っているのに意外性があり、しっかり美味しいレシピが評判だ。今回の本にも「こんな食べ方が!」と驚くようなレシピが多くあったので、いくつか実際に作ってみながら本書の魅力をレビューしてみよう。
つきたての柔らかさが蘇る「茹で餅」の魅力
このレシピ本の特徴は、お餅を「焼く」という定番の食べ方以外に、「茹でる」「蒸す」「揚げる」「鍋にする」といった食べ方のレシピが多く紹介されていること。特に「茹でる」「蒸す」については未体験の人が多いだろう。
まずは「茹でる」食べ方にトライしてみた。普通に鍋にお湯を沸かして5分ほど煮るだけなのだが、本当にお餅がトロトロ柔らかになるので驚いてしまった。もう、茹でただけで美味しそうなのだ。

この茹でた餅にもいろいろなレシピがあったが、大ヒットだったのが「たらこソース餅」。薄皮を除いたたらことオリーブオイルを合わせたソースで食べるお餅なのだが、これが抜群に美味しかった。

言ってみれば「たらこパスタのお餅版」なのだが、バターではなくオリーブオイルを使っているのがポイント。たらこの辛みと爽やかでフルーティなオリーブオイルの風味が合わさって、非常に気の利いた味わいになっているのだ。シンプルな組み合わせでも、こうした美味しさを生み出せるのは、さすが熟練の料理家だと感じた。
もう一つ、茹でたお餅で作ってみたのが「シナモンシュガー餅」。レシピではシナモンパウダーとグラニュー糖を混ぜてから振りかけているが、最近はスーパーに調合済みの「シナモンシュガー」も売っていたりするので、それを使えば超簡単に食べることができる。

一つポイントだと感じたのは、茹でたお餅は水分をたっぷりまとっているため、シナモンシュガーの絡みが抜群にいいこと。そのためシナモンの風味、溶けたグラニュー糖の甘さ、お餅の柔らかな触感が渾然一体となった美味しさが生まれているのだ。なのでこの「シナモンシュガー餅」は、茹でたり蒸したりしたお餅で食べるのが大正解だろう(焼いたお餅でも食べてみましたが今ひとつでした)。
お餅は蒸しても美味だった!
そしてお餅を「蒸す」レシピにもチャレンジしてみた。蒸すとなると、蒸し器やせいろが必要になるのでややハードルは上がるが、道具さえ揃っていればこの食べ方は茹でる食べ方以上に便利だと感じられた。

というのも、「茹でる」食べ方だとお湯の中にお餅の外側が溶け出てしまい、「汚れた鍋を洗う手間が増える」「お餅の量が目減りして損した気になる」といったデメリットを感じたから。一方の「蒸す」食べ方は、お餅が溶け出すこともなく、茹でる方法と同じようにお餅がトロトロ柔らかになるのだ。
そして「蒸す」食べ方で作ってみたのは「海苔の佃煮餅」や「ゆずこしょう餅」「ねぎ塩餅」など。どれも非常に美味しかったが、感心したのは「ゆずこしょう餅」だ。

蒸して柔らかくなったお餅にゆず胡椒を絡めて、海苔を巻いて食べるだけなのだが、食べたことのないスパイシーな和風餅になっている。ゆず胡椒の辛味をしっとりした海苔がいい具合に和らげてくれていて、これも「さすが飛田さん!」と感心したレシピだった。

なお、ここで紹介した「茹でる」「蒸す」食べ方は、『お餅の便利帖』のレシピのほんの一部。シンプルでベーシックな焼き餅や各地方のお雑煮、お餅のグラタン、力ラーメンなどの変わり種まで、多種多様なレシピが掲載されている。


なので、ぜひ本書を購入して色んなレシピにチャレンジしてみてほしい。「家に残ったお餅を消費する」どころか、新たにお餅を買い足したくなるはずだ。
文・料理・写真=古澤誠一郎