雨の日大好き! カエル・カタツムリの絵本(2024年5月 新刊&おすすめ絵本)
更新日:2024/5/9

ジメジメ、ジトジト……毎年恒例とはいえ、梅雨はついつい気持ちが落ち込んでしまうもの。でも、雨が大好きなカエルやカタツムリの絵本を読んで、彼らの生き生きとした姿を見れば、ほんの少し気持ちが明るくなるのではないでしょうか?
4月末に発表された日本気象協会からの梅雨入りの予想は5月下旬から6月上旬と例年通りのようです。雨の日はアウトドアや外遊びなどのレジャーには向きませんが、絶好の読書タイム。気になる絵本を手に、ゆっくり本を読む時間を作ってくださいね。
カエルが主人公の面白い本が読みたいと思ったら、『かえるのほんや』にいらっしゃい! やぎたみこさんによる、本とカエルへの愛情たっぷり絵本
かえるのほんや
作:やぎ たみこ
みどころ
その本屋があるのは、町のはずれの古い本屋の裏庭とつながっている森の、池のほとりのやなぎの木の根元。葉っぱにかくされた入り口を入っていくと、そこにいるのは……たくさんのかえるたち! そう、そこは「かえるのほんや」なのです。
「かえるが本を読むの?」
いえいえ、そんなことで驚いている場合じゃありません。だって、この本屋で人気のある絵本は、みんなこのお店でつくっているんです。紙、絵の具、のりだって手作り。さらにお話だってここにいる作家たちが考えているのです。でも、今日はおはなしづくりが行き詰まっている様子。そんな時は草のハンモックで昼寝が一番。ところが……?
「ぼくたちって ほんとに すごい かえるじゃない?」
本当に、本当にそう思いますよ。かえるたちが最初から最後までずっと大活躍する様子は、何度読んでも飽きることがありません。かえるたちへの深い愛情を感じる作者やぎたみこさんの絵も素晴らしく、子どもたちはきっとかえるが好きになってしまうでしょう。
「ほんやが あって よかったな。」
深く深くうなずきながら、そっと絵本をとじるのです。
一緒に歌いたくなる! 誰もが知っている童謡「かえるのがっしょう」を絵本で楽しもう『うたおう!かえるのがっしょう』
うたおう!かえるのがっしょう
作:岡本 敏明絵:100%ORANGE
出版社からの内容紹介
誰もが知っているあの歌が、100%ORANGEのイラストで魅力的な絵本になりました!
絵本の読み聞かせはまだ早いかな?そんなお子さまには「うたの絵本」がおすすめ!巻末に楽譜を掲載。
担当編集者より
「かえるの うたが~♪」「かえるの うたが~♪」追いかけてうたう輪唱が楽しい童謡です。実際にかえるたちが鳴くときも、声が重ならないように少しずらして鳴くこともあるそうですよ。
『ジロッ』「パクッ」「ケロケロスー」リズミカルなオノマトペと力強い版画で描かれる大スペクタクル!
ジロッ
文:おおなり 修司絵:たけがみ たえ
みどころ
野原にカエルが一匹、ぴょこん。
『ジロッ』とにらんで、サナギを『パクッ』。
まんぷく、お昼寝『ケロケロスー』。
そしたらこんどは、ヘビが『ジロッ』!
擬音語だけで描かれる、カエルを襲った大事件!!
ヘビに追われて崖から落っこち、あわやと思えば、まさかのペリカン!? 空中でパクリと丸呑みされて、それでも終わらぬ大騒ぎ!
擬音語だけで描かれる物語はテンポがよく、次々におそいくる意外なできごとも相まって、その目まぐるしさに思わず笑ってしまいます。
主人公のカエルは、寝息が『ケロケロスー』!? 崖から落ちれば、悲鳴は『ケーロー』! ときおり発せられる独特の擬音語で、おかしさ、可愛さ、さらにマシマシ!
初めの『ジロッ』と終盤の『ジロッ』で、同じ擬音なのに印象がまるっきりちがうのも、おもしろいところ。カエルがそれぞれなにを思って『ジロッ』としているのか考えると、かわいそうだけど、やっぱりおかしい!
『ジロッ』ではじまり『ジロッ』で終わる、にぎやかな一瞬の大冒険!
ピーマン村の子どもたちと12か月の行事が描かれる人気シリーズ。園で飼おうとしたアマガエルを逃がしてしまったのは、やっぱりあの人……『かえってきたカエル』
かえってきたカエル
作:中川 ひろたか絵:村上 康成
出版社からの内容紹介
カエルをみんなで飼おうと、エサをさがしにでかけます。ところが園長先生がにがして……。
「岩波子どもの本」60周年記念として出版された話題作『おひめさまとカエルさん』。コールデコット賞作家ツェマックが家族で作った思い出深い一冊
おひめさまとカエルさん
文:ハーヴ&ケーテ・ツェマック絵:マーゴット・ツェマック訳:福本友美子
みどころ
ワンピースを着た女の子(これが、おひめさま!)と、そのともだちのカエルさんのお話が3つ収められた絵本。
池にボールが落ちたり、おつりをなくしてしまったり、おとうさんの王様の頭にとまった鳥を追い払えなかったり、困って「えーん えーん」とないていると、カエルさんがやってきて
「どうしたのよ、おひめさま。なんで そんなに ないてるの?」
と、なぐさめ、助けてくれるのです。
このお話、実はツェマック家の合作。コールデコット賞を2度受賞しているツェマック夫妻には4人の娘がいて、そのうち長女のケーテが14歳のときに末妹に語り聞かせたのがはじまりだそうです。以来ツェマック家の定番となり、おとうさんのハーヴがそれをもとに文をまとめ、おかあさんのマーゴットが絵を描いたそう。
ひょうひょうとした文章が楽しく、そしてなんといっても、カエルさんの表情がたまりません!
翻訳者の福本友美子さんが1975年発売の原書を、翌年にイギリスで見つけ、長年あたためていたというこの絵本。
「岩波子どもの本」60周年記念の新刊として、ついに、このたび日本での翻訳出版が実現しました。
同シリーズは1953年に創刊された絵本シリーズの草分け。『ちいさいおうち』『はなのすきなうし』など海外の傑作絵本をはじめ、長年読み継がれる名作を多く世に送り出しています。
発表後40年近くたって『おひめさまとカエルさん』が日本語で読める幸運を喜ぶとともに、あらためてツェマック家の虜になりそうです。おさえた色彩やタッチに温もりがあり、そこはかとなくただようユーモアは秀逸。
本書はスモーキーなピンクと緑の色合いがきれいで、前後の見返しにつかわれているのも素敵なんですよ。
同シリーズのマーゴット・ツェマックの作品に『みっつのねがいごと』がありますから、ぜひ見くらべてみてくださいね。
谷川俊太郎×スズキコージ 初タッグ絵本。言葉のリズムと迫力満点のイラストがページからほとばしる『でんでんでんしゃ』
でんでんでんしゃ
文:谷川 俊太郎絵:スズキ コージ
出版社からの内容紹介
でんでんむし形のでんしゃの冒険譚
谷川俊太郎×スズキコージ 初の絵本
「おーい ふーい どこにいるぅ
あめなめらめるめ でんでんでんしゃ
あめといっしょに ふってこーい!」
呼んで現れたのは、でんでんむし形の“でんでんでんしゃ”。木に登ったり、雲を這ったり、虹を滑ったり、地獄を探検したり、“でんでんでんしゃ” が奇想天外な旅に出ます。
当代きっての詩人・谷川俊太郎さんと数々の作品を生む絵本作家・スズキコージさんによる、自由奔放でとっても不思議な、新しいものがたり。谷川俊太郎さんの楽しい言葉のリズムと、スズキコージさんのパワーあふれる絵の世界をお楽しみください。
カタツムリが求める理想の家とは……? レオ・レオニが描く『せかいいち おおきなうち りこうになったかたつむりのはなし』にその答えが載っています
せかいいち おおきなうち りこうになったかたつむりのはなし
作・絵:レオ・レオニ訳:谷川 俊太郎
みどころ
「大きいことは、いいことだ」的価値観に疑問を投げかける父さんかたつむりの話が印象的な作品。ちびかたつむりは自分が小さいゆえ「大きいことが一番」と考えましたが、父さんの話を聞いて新しい価値観を学びます。作中話で、かたつむりが自分の「うち」をどんどん大きく変容させる場面は小さな読者を魅了することでしょう。その結果、何が起こるのか。人生の知恵をわかりやすく教えてくれる一冊ともいえます。
――(ブラウンあすか)

「カエルを飼いたい!」と思ったら、この絵本で学ぼう! 生態から飼い方まで網羅した『育てて、しらべる 日本の生きものずかん(2) カエル』
育てて、しらべる 日本の生きものずかん(2) カエル
監修:福山欣司撮影:前田憲男 安東 浩
出版社からの内容紹介
カエルはとってもひょうきんもの。日本にいるカエルたちは、どこでどんな生活をしているのか? おたまじゃくしの育て方、アマガエルの飼育方法など、飼う楽しさや、そのために知っておきたい知識。小学校低学年向き。