第14回「体力測定最下位の私がスラムダンクにハマって人生変わった」/酒飲み独身女劇場 ハッピーエンドはまだ来ない⑭

文芸・カルチャー

公開日:2024/7/26

流れる汗と染みる生ビール

酒飲み独身女劇場 ハッピーエンドはまだ来ない

運動したい欲は止まらない。
体が疼く。

試しにアニメ版の『SLAM DUNK』を見ながら、家のインテリアになっていたマシンで30分走ってみた。

汗だくで、息も絶え絶えで、苦しかったけど、走り終わった後の身体は軽い。
疲れ果て、寝てしまうかと思ったけど、逆にやる気がみなぎってきた。

何よりも、運動後に居酒屋で飲む生ビールは、いつもより、ぐんと身体中に染み渡る。
達成感って、おいしいのかもしれない。

この調子で、まずは体力をつけて、バスケに備えよう。
天下を目指すんだ。仲間を見つけにいくんだ。

走っているときだけ、アニメ版『SLAM DUNK』を見ることにしよう。
マラソンなんて、一番苦手な種目だったのに、30分が一瞬で過ぎ去っていく。

『THE FIRST SLAM DUNK』を見て、1ヶ月が経った。

しかし、アニメは永遠に9話で止まっている。
おかしい。

「革命が起きた、運動って最高だ!」と叫んで、帯びた熱は確かに本物だったはずなのに。

作品は多大なる影響を与えてくれる。
ただ、影響されてから、どこまで継続できるかは、自分次第なのだ。

結局、人生の主役は自分しかできない。
戦いは、もう始まっていたんだ。

ともあれ、何もしていない日に飲むビールは、休日の匂いがして、いつもよりおいしーーー!!

<第15回に続く>

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さかむら・ゆっけ、●酒を愛し、酒に愛される孤独な女。新卒半年で仕事を辞め、そのままネオ無職を全う中。引っ込み思案で、人見知りを極めているけれど酒がそばにいてくれるから大丈夫。たくさんの酒彼氏に囲まれて生きている。食べること、映画や本、そして美味しいお酒に溺れる毎日。そんな酒との生活を文章に綴り、YouTubeにて酒テロ動画を発信している。気付けば、画面越しのたくさんの乾杯仲間たちに囲まれていた。