「ツッコミガチ勢」と名乗る僕が考える「ツッコミ」とは/ツッコミのお作法①

小説・エッセイ

公開日:2024/9/30

用意してきてくれる相手に最大限のリスペクトを

この気持ちは「タイマン森本」を始めてから一層強くなりました。撮影に向けて、僕は特になんの準備もしていきません。ふらっと現場に行ってツッコませてもらうだけです。一方、ゲストに来てくれる芸人のみなさんは収録の数日前から「何をやろうか」と考えてくれて、そのために衣装を買ってきたりわざわざ小道具を作ってきてくれたりします。だからこそ絶対的なリスペクトを持って、なるべくすべてが活きるように相手をさせていただく。結果として、初対面の方でも「タイマン」を1回やるとライブを数本一緒にやったぐらい関係性が深まっているような気がします。あくまで僕視点なので片思いかもしれませんが。

これを読んでくださっているみなさんは、日常生活で周囲の人からひたすらボケてこられる機会はそうそうないと思います。少なくとも、「部屋に入ってきてください」と言っているのに、ドア付近で入ってきそうで入ってこないという奇行を繰り返す相手に100回以上ツッコむことはないでしょう。

でも僕がネハルくんに「そっちのドシじゃねぇよ!」とツッコんだように、周りの人がなんかちょっとズレたことを言ったりやったりしてる場面に出くわすことは時折あると思います。そういうときに無視したりせず、なるべく返したり広げたりする姿勢を見せ続けると、自分を受け止めてくれる存在として信頼してもらえるかもしれませんし、「なんかコイツやかましいから距離置こうかな」と思われるかもしれません。そりゃ、世の中いろんな人がいますから。

トンツカタン森本晋太郎

取材・文/斎藤岬

<第2回に続く>

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森本晋太郎(もりもと・しんたろう)/1990年、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。