目指すべきは誰も置き去りにしない「情報共有ツッコミ」/ツッコミのお作法②
公開日:2024/10/14
パーティーメンバーのステータスを上げる「狩猟笛」マインド
〈情報共有ツッコミ〉は観ている方のためだけのものではありません。冒頭の話でいうと、「◯◯さんとごはんに行った」というエピソードトークをしていた後輩は、その話が面白いと思っているからしゃべっています。であれば◯◯さんを知らない人にもわかるように補足したほうが、その面白さがより伝わるはずです。
前回書いたようにツッコミの役割の基本は、ボケの面白さを汲み取って伝えること。お笑いじゃなく一般論的にいうなら、相手が言いたかったこと・やろうとしたことの真意をうまく拾って伝える手助けをして、相手をより引き立たせること、と言い換えられるかもしれません。そうやって絡ませていただいた人の魅力を20%増しで伝えられる人間になることも、僕の目標のひとつです。
芸人になってより色濃くそう思うようになったのは確かなのですが、遡るとそれ以前から僕のこの性質は健在でした。
高校時代、プレイステーション・ポータブルのゲーム『モンスターハンター』が流行っていました。巨大なモンスターを討伐するゲームで、最大4人まで協力プレイすることが可能です。一緒にプレイする友人たちは大剣やハンマーを振り回す中、僕は自分の武器として「狩猟笛」を選びました。主な役割は、笛を吹いてパーティーメンバーのステータスを上げたり鼓舞したりすること。高校生が選ぶ武器としてはだいぶ渋い。みんなが「よっしゃ、一狩り行くぞ!」と駆け出していくときに「ちょっと待って、笛吹くから!」と一曲奏でて、「はいOK、行ってらっしゃい!」と送り出していました。
だから今やっていることも、狩猟笛を吹いていたときと変わらないんですよね。自分の大剣で切り開くんじゃなくて、切り開く人の刀の切れ味を増させる。「やかましいわ」だの「おかしいだろ」だの「このシャツ漂白失敗したわけじゃないんだよ」だの、いろんな音色の笛を吹いています。


森本晋太郎(もりもと・しんたろう)/1990年、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。