ツッコミとは最終防衛ライン/ツッコミのお作法③

小説・エッセイ

公開日:2024/10/28

大事なことは、段階を踏んでいくこと

初対面の佐久間さんにいじってもらったとき、どうツッコめば正解だったのでしょうか。タメ口でツッコむにしても、まずは敬語から入って徐々に変わっていけばよかったのかもしれません。

最初の「森本ひとりじゃゲストが弱いだろ」にいきなりタメ口でキレ気味に返すのではなく、「なんてこと言うんですか!全リスナーの気持ち代弁しないでください!」みたいな受け方が正解だったような気がします。そもそも、4日間にわたって放送された特番ラジオ最終回のゲストがトンツカタン森本だと弱すぎるのは紛れもない事実です。前日までに登場したゲストは極楽とんぼの山本(圭壱)さん、秋元康さん、東京03の飯塚(悟志)さん、東野幸治さんなど、とてつもなく豪華でした。想定外の事態だったとはいえ、その最後を飾るにはあまりにも小粒です。

だからこそ、敬語ベースでやりとりを重ねていった上での「でもやっぱりゲストが弱いからな〜」「いつまで言ってんだよ!」みたいなタメ口ツッコミだったら、聞いている人もついてこられたし不快にならずに済んだのかなと思います。

日常会話でも、目上の人と話すときにあえてタメ口っぽいツッコミや語尾を織り交ぜて距離を縮めるコミュニケーションの取り方はあると思います。ただ、いきなりやると危険なのは僕のプチ炎上が証明済み。みなさんはぜひ反面教師にしてください。今までの経験上、まずはタメ口で相槌を打つところから始めるのがおすすめです。たとえば、先輩に「これはこうしたらいいよ」と言われたときに、「あ、そうなんだ……!」と自分に言い聞かせる形でタメ口を挟んでみる。そこで相手の顔色をうかがってみるのはアリじゃないかと思います。マジこれ一回やってみ!

トンツカタン森本晋太郎

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森本晋太郎(もりもと・しんたろう)/1990年、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。