絵本作家・鈴木のりたけ「子育てで一番重要なことは、忍耐・待つこと」。大ヒット絵本「大ピンチずかん」シリーズに続く最新作『たれてる』誕生秘話

文芸・カルチャー

公開日:2024/11/15

大ヒット作家が絵本作りをやめる可能性…

鈴木のりたけさん

――鈴木さんは人を楽しませるのが好きな方だと感じます。

鈴木 自分本位なだけですよ(笑)。人生の本質として、やっぱり自分が楽しくないと意味がないじゃないですか? なので、自分が楽しむために関わってくれた人にも楽しんでもらう。そうすると、また自分が楽しくなってくる。そういう相互作用が一番いいですよね。

――その最適解が絵本作家だった?

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鈴木 いや、もともとなろうと思ってなったわけではないんです。ただ漠然と、自分の名前が残るような仕事がしたくて絵本のコンペに応募したら、入賞してそこからズルズル…って言い方は違うか(笑)。でも、絵を描くのも好きだし、楽しいことを考えるのも好きだし、それをどう伝えるかを考えたり、全部ひとりでやったりするのも好き。なので、結果的には絵本作家という職業がすごく気に入っています。

――もしかして、他にもやりたいことがあったりします?

鈴木 いや、具体的にはないですよ(笑)。ないですけど、絵本って仕事量に限界があるじゃないですか? もちろん『たれてる』みたいに、国内だけでなく世界の読者に向けて作ることもできるから、仕事の広がりはあります。でも圧倒的なカリスマにでもならない限り、限界があります。なので、自分のキャパを超えたところまで幸せが広がっていくような仕組みを作りたいな、とは思っています。

――例えば?

鈴木 具体的ではないですけど、子どもたちの居場所を作りたいですね。放課後の時間だったり、不登校の子もそうですが、今って本当に子どもたちの居場所って少ないんですよ。そこをうまいことなんとかできたらって思っていますけど、なかなか難しいですね。それ以外にも、視野は広げて何かできたらとは常に思っています。

――では数年後、今とは全く違った仕事をしている可能性も?

鈴木 もしかしたらそうかもしれないですね。ただ今のところは、まだまだ描きたいこともいっぱいあるし、楽しんでいるので、しばらくは絵本作家だと思います。

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